加藤出氏:時代遅れが生む「ねじれ」

東短リサーチの加藤出氏が、発想の固定化した日銀を批判している。
問題の本質を取り違え金融緩和を強化していたバーナンキ時代のFRBを今でもなぞり続けているとの指摘だ。

「今の日銀はバーナンキ時代のFRBの発想に沿って政策を行っており、『ねじれ現象』が起きている。」

加藤氏は週刊ダイヤモンドへの寄稿でこう書いている。
当初2年をめどとしていた異次元緩和が5年目に入ろうとする今、いらだちは高まる。
当初2倍にという話だったマネタリー・ベース拡大もすでに3.3倍に達したが、2%の物価目標はまだ影も形も見えない。
黒田日銀総裁はかたくなに出口について語ることを拒んでいる。

将来を語らない日銀

欧米では2%の物価目標は達成されつつあり、金融当局も引き締め色を強めている。
日銀は欧米よりはるかに(対GDP比等で)大規模な量的緩和を行っているのに、消費者物価指数は(総合でもコアコアでも)かろうじて水面上にあるといった状況。
それでも、量的緩和が継続されている。
せめてもの救いは、長期金利ターゲットと引き換えに国債買い入れ額が柔軟化されたこと。
これを利用して、こっそりテーパリングを進めてくれればと願うのだが、それにはある程度の長期金利ターゲット引き上げが必要になろう。
ここについても、黒田総裁は否定を続けている。

高齢化が政策効果を弱める

商品価格に関しましては、リンクが作成された時点と現時点で情報が変更されている場合がございます。お買い物される際には、必ず商品ページの情報を確認いただきますようお願いいたします。また商品ページが削除された場合は、「最新の情報が表示できませんでした」と表示されます。 日本のディスインフレには欧米とは異なる背景があるのかもしれないのに、同じ2%物価目標にしがみついている。
結果、日銀はFRBから3周、ECBから1周ほど遅れて周回を重ねている。
これが加藤氏の指摘する「ねじれ現象」だろう。
では、異なる背景とは何が考えられるのか。
加藤氏はサンフランシスコ連銀ジョン・ウィリアムズ総裁の見解を紹介している。

「ウィリアムズ総裁は、人口減少で期待成長率が低下している経済では金融政策の効果が弱まるリスクを感じている。」

経済成長率が下がれば、そもそもディスインフレになりやすい。
加えて、期待成長率の低下で金融政策の効果が低減するというなら、状況はさらに不利だ。
問題の解決策、あるいは問題の定義について、見直すことがあってもいいはずだ。

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