佐々木融氏:短期ではドル114円、日経20,000円超えも

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JP Morganの佐々木融氏が中長期での円高ドル安予想を維持しつつ、短期での円安を予想した。
短期的にはドル円が114円まで円安に戻しうるとし、その場合の日経平均は20,000円を超える可能性があるという。

「そろそろ円安方向にそれなりの反発があっても良い頃だろう。」

佐々木氏はReutersへの寄稿で、円高ドル安の動きが一休みしそうだと書いている。
佐々木氏の相場観はFRB利上げ後のドル安の経験則だ。
このところFRB利上げまでは米金利上昇・ドル高となるが、利上げ後は金利下落・ドル安となる展開が続く。
前々回の利上げは2016年12月で、ドル円はそこから6%ほど下落した。
前回3月15日の利上げ以降ドル円はすでに6%ほど低下しており、佐々木氏はそろそろ反転があってもいいと読んでいる。

過去1年のドル円
過去1年のドル円

佐々木氏はドル円の上値めどを114円程度と予想している。
これは、金利とドル円の相関から導いた結果だ。

  • FRB年内利上げについて現在1.5回程度しか織り込んでいない市場が2回を織り込む場合、ドル円は114円と計算される。
  • 日米長期金利差が3月利上げ直前の水準に戻る場合、同じく114円と計算される。

さらに佐々木氏は、ドル円と日経平均の直近の相関から、ドル円114円の場合の日経平均が20,000円超にあたると書いている。
つまり、ドル円は114円まで、日経平均は20,000円超えという短期予想だ。
一方で、中長期的には年末までに円高が100円程度まで進むとの予想を据え置いている。

小さくない幅の円高を予想しながら、踊り場を想定しているところに妙な説得力がある。
ただし、世間の米経済への見方はやや弱気側に傾いているかもしれない。
佐々木氏のドル高反発のシナリオは米金利が上昇するとの前提に立っている。
一方で、米経済は思ったほど好調ではないのかもしれないとの見方も出てきている。

日米の金融政策のダイバージェンスを考えれば、依然、円安ドル高の方がわかりやすいシナリオだ。
しかし、トランプ政権の経済政策の遅れが確実視される中、リフレ・トレードは勢いを失っている。
結果、日米金利差が想定ほどにはならないかもしれないとの懸念がもたげてきた。
また、地政学的リスクは1つクリアされてもまだまだ続く。
ドル円市場はしばらく綱引きが続きそうだ。