佐々木融氏:年末までにドル円100円割れも

JP Morganの佐々木融氏が円高ドル安予想を継続した。
金利差、人民元相場、実質金利などの指標を挙げつつ、政治要因がゲームのルールを変えると予想した。

佐々木氏のドル安予想の決意はまったく揺るがない。
テレビ東京の番組で、佐々木氏はすでにドル安の兆候が見え始めていると語った。

  • 米国が利上げすると、米長期金利と米ドルがピークを打って下落し始める傾向があり、今回も長期金利は下がり始めている。
  • 昨年の全面的なドル安の前にはドル/(オフショア)人民元の下落が始まったが、今回もドル/人民元が落ち始めている。

こうして導かれる結論はドル安を示唆するものだが、これは最近定着した日米金利差とドル円相場の相場観とは異なるものだ。
佐々木氏は、1993年のクリントン政権発足時、日米2年金利差が拡大する中で円高が進んだ局面を紹介した。
政権の高官が口々に円高ドル安容認の発言を繰り返したために起こった急激な円高ドル安局面だった。
佐々木氏が日銀で為替介入を担当していた時期に直面した現象であり、以前「介入がまったく効かなかった」と回想していた。

このグラフは長期金利差(青)、ドル円(緑)
クリントン政権発足後の日米長期金利差とドル円

佐々木氏は、トランプ次期大統領のトヨタ批判などを挙げ、保護主義が為替に影響を及ぼす可能性を指摘した。

さらに、ドルの実質金利が低下に転じている点もドル安を示唆しているという。

5年米実質金利(米物価連動国債利回り、青)とドルの実効為替レート(赤)
5年もの米物価連動国債利回りとドルの実効為替レート

佐々木氏は、年末までにドル円は100円割れもありうるとの予想を継続した。