佐々木融氏:リスク・オフの円買いの3段階

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JP Morgan佐々木融氏が、有事の円買い(戻し)について解説している。
有事の性質に応じて3つの段階で為替が影響を受けるのだという。

米軍によるシリア爆撃では、為替市場は円高ドル安で反応し、その後すみやかに戻していった。
ドル円がリスク・オフで円高に振れることは周知の事実だ。
では、シリア爆撃ではその円高がなぜ長く続かなかったのだろうか。
佐々木氏はReutersに寄せたコラムで、この点を順序立てて解説している。

佐々木氏は、リスク・オフで円高に振れる理由から解説しているが、これについては弊サイトでも再三取り上げているので割愛しよう。
ここで注目したいのは、有事が為替に影響する3段階についての佐々木氏による整理だ。

  1. 超短期: 「有事発生直後の円買いは、投機的な円ロングポジション」
    シリア爆撃はほどなく単発の作戦であることが伝わった。
    「続報がないと円は売り戻されるのだ。」
  2. 数日: 短期円売りポジションの巻き戻し
    例として、東日本大震災が挙がっている。
  3. 数か月~: 企業・投資家の海外投資のヘッジ・回収
    例として、リーマン危機が挙がっている。
どの段階まで進むかは、その有事が政治・経済に及ぼす影響の大きさ・持続性によるということだ。
第2・第3の段階は、いわゆる巻き戻しの範疇に入るが、日本は世界最大の対外純資産国、しかも25年連続でトップであるがゆえに巻き戻しの威力は抜群だ。
異次元緩和が金利低下・円安を志向した分、対外純資産はさらに増えやすかった。
リスク・オフの火種があれば円高へのガソリンはたっぷりというわけだ。

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