中空麻奈氏:サイクルがずれている

BNPパリバの中空麻奈氏が「クレジット・サイクルの歪み」を指摘している。
歪みが解消される過程で投資対象ごとのパフォーマンス格差が生じうるため、選別投資に努めるよう勧めている。

中空氏がテレビ東京の番組で2017年のクレジット市場の見通しを語っている。
基本シナリオは、マイナス金利が継続し、クレジット・スプレッドにも大きな変動のない1年になるというもの。
その上で、4つの経済・企業業績の局面からなる「クレジット・サイクル」で現在置かれた状況を認識すべきという。

クレジット・サイクル (出典: BNPパリバ 中空麻奈氏の図より作成)
局面 金融政策 企業収益・株価
回復 緩和継続 改善
拡大 引き締め
下降 引き締め継続 低下
修繕 緩和

中空氏は、日本のファンダメンタルズやバランスシート(上表の「局面」)について、「『拡大』から『下降』に入りそうだ」と語る。

「一方で、株価は高く、景気もよく見えてしまう。
マインドにも安心感が出てきて、企業収益もいいのではないかと思ってしまう。
金融緩和は継続している。
全体的に『回復』または『拡大』にあるように思えてしまう。」

トランポノミクスなどの財政政策への期待から、ファンダメンタルズと人々の観念の間に乖離が存在し、それが「クレジット・サイクルの歪み」を生んでいるという。
上表で言えば、「局面」と「金融政策」の間のズレのことを指しているようだ。
ファンダメンタルズの面で「『拡大』から『下降』に入りそうだ」とするなら、すでに金融は引き締められていなければいけなかったはずだ。
引き締めが後手に回れば経済・市場が過熱し、「下降」が険しくなる。
そうした時、クレジット市場は荒れる。

金融緩和でペシャンコだった信用スプレッドがいつか戻ってくれば、その投資対象の価格は下落する。
中空氏は2つのきっかけ(金融引き締め、イベント・リスク)を挙げる。
本来、信用スプレッドが大きいはずのものに投資しないよう、選別投資に努めるべきと説いている。