ローレンス・サマーズ

ローレンス・サマーズ:バブルは崩壊させるべきなのか?

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ローレンス・サマーズ元財務長官(現ハーバード大学教授)が、ジャクソンホールのシンポジウム(24-26日)出席を見送った代わりに、金融政策についての意見を表明している。
このところトランプ批判に忙しかったサマーズ氏だが、金融政策についてはあいかわらず緩和一辺倒だ。

ジャネット・イエレンFRB議長が再任されるなら、一番安心して夜眠れるだろう。
・・・
現在のファクトに基づけは、さらなる利上げの理由はない。
マクロ経済政策が、中立的実質金利の低下と趨勢的停滞のリスクという側面を適切に勘案できていないことを心配している。

サマーズ氏は自身のブログで金融政策を緩和的に維持し続けるべきと論じた。
趨勢的停滞論を唱えるサマーズ氏からすれば、過去と将来のトレンドはまったく異なるものに見えている。
過去の相場観から将来を《正常化》してしまうと、引き締め過ぎてしまうとの危惧がある。
共和党から望まれるFRB議長候補にはタカ派的な考えの人物が多い。
こうした人がFRBの舵取りをすれば、米経済をオーバーキルするのではないかと心配しているのだ。

金融政策の5つの課題

サマーズ氏は、インフレと金融政策の重要課題を5つ挙げている。

(I) 現在インフレは物価目標より低く、今後5、10、20、30年の間、ゆうに目標より低いままと予想される。
(II) インフレはこれまでゆうに目標より低く、この10年のFRB見通しは(インフレ)加速を予想する経済モデルに強く懐疑的であることを示唆していた。
(iii) 2%目標は平均についての目標であり、特に長く未達だった後には2%を超えるようすべきものである。
(iv) 景気拡大が9年目に入り失業率が4%に近づいているのに物価目標を超えられないとしたら、その瞬間は本当に訪れるのか?
(v) 修正可能な間違いの方がましであり、過去10年で学んだ通り、デフレよりインフレの方が対処しやすい。

こうした課題づけを見るだけでも、どこで金融緩和をやめるべきかには大きな議論がありうることが理解できる。
個々の議論があまりにも抽象的な部分を含んでいるのだ。

(次ページ: 広すぎる認識の幅)