ロバート・シラー:重要な転換点に差し掛かった

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資産価格の実証的研究で2013年ノーベル経済学賞を受賞したロバート・シラー教授が、米住宅・債券はバブルではないと語った。
住宅は買いの好機、債券は重要な転換点にあるのだという。

米住宅は買いの好機

シラー教授はFoxで、今が不動産を買うのにとてもいいタイミングだと語った。
人々の住宅市場についての熱狂度合いや住宅ローン金利をサブプライム危機直前の2006年と比較し、今は当時のバブル状態とは状況が異なると解説している。

「2006年には、住宅購入者が年10-12%の値上がりを見込んでいた。
今回は、それが4.7%といった水準に下がっている。
これは、住宅ローン金利を大きく上回るものではない。
かつては予想値上がり率と借入利率のスプレッドが6%もあった。」

2006年との違い

S&Pケースシラー住宅価格指数(20都市)と米住宅ローン金利

では、なぜ米住宅価格(青)は2006年に迫りつつあるのか。
シラー教授によれば、需要と供給のバランスなのだという。
供給(住宅建設)が不足しており、価格が上がっても買う人がいるのが現状で、2006年の住宅バブルとは性質が異なると指摘している。

一方、住宅ローン金利(赤)は最近の長期金利上昇にともない上昇したが、それでも4%強(固定30年)。
予想値上がり率4.7%とほとんど差がない。
こうした観察から、シラー教授はあくまで「可能性」と断った上で、「住宅金利は依然低く、2012年以降の上昇が続く可能性がある」と語った。

シラー教授の見方は実に正統的なものだが、日本人から見ると説得力満点とは言えないかもしれない。
日本人は似たような光景を2000年前後に経験している。

  • 失われた10年は20年、四半世紀となり、その間予想外の金利低下が継続した。
  • 低金利が借入コストを下げるのは事実だが、それをオフセットするように住宅価格も上がっている。

果たして、米国が失うのは7年ですむだろうか。

(次ページ: ボルカー・ショック再来?)