ロバート・シラー:米国株は高く心配だ

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資産価格の実証的研究で2013年ノーベル経済学賞を受賞したロバート・シラー教授が、分散投資を勧めている。
CAPEは30を超え、長期投資しても低リターンしか期待できない領域にあるという。

「CAPEはいつになく高い。
1881年まで遡って今より高いのは1929年と2000年だけだ。」
高水準にあり心配だ。」

じりじりとCAPEが切り上げるにつれ、シラー教授の危機感は募る。
投資家は米市場が高水準にあると認識し用心すべきと警告している。
CAPEはついに30を超えた。
1929年は世界恐慌、2000年はITバブル崩壊の前夜である。

ShillerのCAPE(青)と米長期金利(赤)
ShillerのCAPE(青)と米長期金利(赤)

その一方でシラー教授は、米国株をすべて避けろというわけではない。
株高やバブルというのは、いつ終わるか予想できないからだ。

「1990年代終わりには30に達したが、さらに数年上昇した。
したがって、決定的というわけではない。」

上昇がいつ終わるか予想できない以上、米国株すべてから降りてしまえば、最後の上げの恩恵を取り逃がすことになる。
シラー教授は、CAPEが低いセクターを選んで投資する可能性に言及した。

米市場がさらに上げる可能性に対して保険をかけながらも、シラー教授の本心はネガティブ側にある。
CAPEが長期リターンを予測する上で有効な指標であるとの自信があるからだ。
仮に、早く降りたために最後の上げの恩恵を取り逃がしたとしても、長期で見ればその方がいいはずと考えている。
過去を見るとそうなっている。

CAPEに懐疑的な人たちの中には、CAPEが低金利を織り込めていないという指摘もある。
この指摘には一理あるが、仮に低金利を勘案するなら、低金利が示唆することも勘案する必要がある。
それは、企業収益の低成長であろう。
PERの分母が低金利なら、分子のEPSも低成長になってしまう懸念があるのだ。

さらに言えば、1981年前後のボルカー・ショックを無視してはいけない。
現在が債券市場の超長期サイクルの転換点だとすれば、長期金利の谷が深ければ、山も高くなってしまうかもしれない。

投資とはただただ高リターンだけを求めるものではない。
リスクを制御しながらリターンを高める営みだ。
シラー教授は分散投資に努めるべきという。

「海外に投資してもいい。
米市場は海外に比べて極めて割高な市場だ。
・・・
全部を少しずつ持つべきだ。
分散していなくて、欧州や新興国に投資していないなら、今がいいチャンスだ。」