ロバート・シラー:企業収益は中央回帰する

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資産価格の実証的研究で2013年ノーベル経済学賞を受賞したロバート・シラー教授が、史上最高値を追い続ける米市場に危機感を露わにした。
企業業績が好調だからといって株価も高値を追い続けるとは限らないという。


Robert Shiller on the biggest risk to the market from CNBC.

「見たところ、市場は機械的に上げてきたようだ。
企業収益が向上する中、S&P 500のPERは24倍で安定してきた。
・・・
価格上昇は、利益増とともに段階的に起こっている。
好調な利益に対して過度に反応していると思う。」

シラー教授はCNBCで、足元の利益にあまりにも単純に連動する株価に危機感を持っている。
過去を振り返ると、企業の利益は中央回帰する傾向にあるからだ。
《今回は違う》と主張する人たちに、教授は厳しい皮肉をぶつけている。

「確かに、『米国を再び偉大にする』人が大統領になった。
もしも彼が正しいとすると、おそらく私たちは新たな方向に向かって上昇を始めたのだろう。
しかし、それは米国の歴史で初めての出来事になる。」

もしも歴史が繰り返すならば、株式市場にとって大きなマイナスになるという。
現在よりCAPEレシオが高いのは大恐慌の前の1929年とITバブルの2000年しかない。
トランプ大統領が米国の歴史上はじめての功績を上げる可能性はゼロではない。
しかし、そうならない可能性もある。

「もしそうなら、大きな調整になる。
これは予想ではなく、心配だ。」

市場の興味を集めている極めて低いボラティリティについては、シラー教授は明確なコメントをしなかった。
ボラティリティの決定要因は明らかでないこと、市場は常に急変しうることを理由に挙げている。

S&P 500指数(青、左)とCBOEボラティリティ指数(赤、右)
S&P 500指数(青、左)とCBOEボラティリティ指数(赤、右)