レイ・ダリオ:長官は大いなる目的の犠牲となった

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トランプ大統領によるジェームズ・コミーFBI長官の突然の解任について、レイ・ダリオ氏がツイートしている。
日頃、純粋に政治的なテーマを語ることの少ないダリオ氏が、遠まわしではあるが政治的な考えを発信している。

「ジェームズ・コミーについて知り、筋を通す人物、英雄として尊敬するようになったと明かしていなかったなら、反省したい。
つまり、彼は大いなる目的のために自身を犠牲にしたのだ。」

ダリオ氏はコミー元長官をこう賞賛し、解任を残念がった。
大統領は解任の理由を働きが悪かったからと言うが、それを信じる人はいない。
トランプ陣営とロシアの関係への捜査が進んでいた中での解任だったからだ。

昨年の大統領選直前、コミー長官はヒラリー・クリントン候補のメール疑惑の捜査を再開すると明かし、世間を驚かせた。
この捜査再開は新たなメールが見つかったためのものだったが、大統領選の行方を大きく左右したと言われている。
つまり、コミー長官はクリントン候補にとってもトランプ大統領にとっても目の上の瘤なのだ。
そこを「筋を通す」と捉えたのだろう。

「彼は、規律の低い環境の中で高い規律を守った人物だ。」

強烈な皮肉だ。
大統領候補は、右を向いても左を向いてもモラルの低い人物だった。
犯罪と疑われる行為があれば、捜査をしないわけにもいかなかっただろう。

「英雄はしばしば最後には磔刑になったり殉教したりする。
ジムはそれを任命された時に知っていたのだろうが、戦地に召集されたよき兵士のように奉職する責任を感じたのだろう。
彼には我々の軽蔑ではなく感謝こそ望ましい。」

ダリオ氏はコミー元長官を絶賛している。
それが本心なのか、あるいは、モラルの低い政治家へのあてつけなのか。
多くの人がウォーターゲート事件を思い出している。
民主党のみならず、共和党の中からも非難の声は増えていくだろう。

勝ち残った政治家は為替や株価に大きな影響を及ぼす政策を掲げている。
市場にとっての究極の政治的リスクが高まっている。
リスクは顕在化するのか、顕在化した場合プラスと出るのかマイナスと出るのか、不透明だ。
それでも、シカゴVIXは鳴りを潜めたままなのだが。