レイ・ダリオ:逃げ道を用意し仕事を続けろ

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Bridgewater AssociatesのRay Dalio氏が、金融市場は転換点に差し掛かったと宣言した。
すぐのバブル崩壊は予想されないとしながらも、逃げ道を用意しておくよう勧めている。

「我々の現在の責務は仕事を続けつつ、逃げ道を用意し、先行きを見定めることになる。」

ダリオ氏はLinkedInで1つの時代が終わりつつあると書いている。
各国中央銀行は今まさにそのシグナルを市場・投資家に送っているのだという。

ダリオ氏はリーマン危機後9年間にわたる金融政策がデレバレッジという大きな成果をもたらしたと指摘する。
非伝統的金融政策の採用について少なからぬ批判を浴びてきた中央銀行に感謝すべきという。
ダリオ氏は過去9年間をこう総括する。

「過去9年間、各国中央銀行は金利をゼロに押し下げマネーを金融システムに注ぎ込み、これがキャリーを有利にし、キャッシュを溢れさせた。
こうした政策が資産価格を押し上げ、名目金利を名目成長率より低く抑え込み、キャッシュの実質金利をマイナスにし、債券の実質利回りをゼロ近傍に押し下げた。
これが美しいレバレッジ軽減を引き起こし、バランスシート修復をもたらし、信用成長・経済成長が債務成長と比較的よくバランスのとれた伝統的な経済状況に導いた。」

こうした政策が成果を上げた今、経済は新たなフェイズに差しかかった:

a) 流動性主導の経済・市場の動きを生み出した9年に及ぶ継続的な金利抑圧・マネー供給の終焉。
b) 景気/短期債務サイクルの終期の始まり。

今、中央銀行は何をやろうとしているのか。

「各中央銀行は、成長やインフレを温めすぎず冷ましすぎないような正しいペースで金融を引き締めようとしている。
そうした政策は、うまくいかず次の不況が来るまで続く。」

FRBは次の不況が来るまでに十分に利上げを行っておきたい。
また、これ以上の資産価格上昇が金融不安定化リスクにつながることを恐れている。
一方、インフレなど経済指標の方は心配無用とまではいえない状況だ。
中央銀行の綱渡りは続く。
ダリオ氏は、用心を怠らないよう勧めながら、心配のし過ぎにも釘を刺している。

「先行きについて我々は大きな債務バブルがすぐ崩壊するとは予想していない。
(理由は、バランスシート修復が済んでいるためだ。)
ただし、『大スクイーズ』はますます強くなっている。」

ダリオ氏はスクイーズの内容については明言していない。
量的緩和が続く日本では感じ取りにくいところだが、何かが収縮を始めているらしい。
ダリオ氏が「逃げ道」と呼ぶものにはどのようなものが考えられるのか。
1つの必要条件は、混乱においても流動性が枯渇しない市場ということだろう。