レイ・ダリオ:不得手なものとの戦い

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Bridgewater AssociatesのRay Dalio氏が、リスクを十分に織り込めていない市場について警告した。
政治的リスクは投資に織り込みにくく、ヘッジのためにポートフォリオに金を組み込むよう勧めている。

「一般論として、リスク/ボラティリティが低い時期はリスク/ボラティリティが増大する時期をもたらす傾向がある。
これは、わが社の総合的な市場ボラティリティ指標にも表れており、市場は来年も低ボラティリティが続くことを価格に織り込んでいる。」

ダリオ氏はSNS投稿で、足元の低リスク環境が突然変化する可能性を示唆した。
同氏によれば、人間には環境に順応する性質があるのだという。
投資の世界も例外ではなく、低リスク環境が続くと、それが将来も長く続くとの根拠のない仮定をするようになる。
厄介なのは、多くの投資家が、それが仮定であることさえ忘れてしまうことだ。
ローンを例にとり、「たくさん貸し込んでも安全だと思い込み、レバレッジを押し上げるが、状況が変化するとボラティリティを押し上げ損失を負わせる」との債務サイクルを解説している。

織り込みにくいリスク

ダリオ氏は、リスクが見過ごされている点について、人々のリスク認識がバックワード・ルッキング(過去に影響される)であること以外にもいくつか原因を挙げている。

  • 超低金利が現時点での高レバレッジを正当化している。
  • 潜在的リスクに経済的なものより政治的なものが大きく、価格に織り込みにくい。

成功する投資家とは謙虚なもの。
ダリオ氏は、政治とりわけ地政学に関して自社が謙虚に構えているという。

「わが社は、わが社が理解する上で優越していると思われるイベント/結果に対して賭けている。
わが社が特に優越していないと思われるイベント/結果、つまり政治的イベントについては、ポートフォリオを比較的中立的またはリスクのバランスをとるようにしている。
・・・
最も重要なのは、わが社が流動性を多く持ち、分散投資を保ち、個々の経済的結果に過度のエクスポージャーを持たないようにしている点だ。
完全にヘッジすることはないが、ヘッジに努めている。」

(次ページ: 金を組み込め)