レイ・ダリオが言いたかった1937年

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先日FPで紹介したRay Dalio氏のSNS投稿は日本ではすっかり過小評価されてしまったようだ。
従来からの研究に基づく警戒感を示したものだったのだが、主要メディアはただダリオ氏が弱気に転じたとの捉え方をしたようだ。(浜町SCI)

そもそもこの議論はブリッジウォーターが世界的なポピュリズムの台頭を目の当たりにして過去の事例を研究したことから始まる。
この事例研究はすでに3月に公表されており、主に1930年代以降に各国で起こったポピュリズム台頭が調べられていた。
最近のトランプ政権の混迷は、過去が繰り返すのではというダリオ氏の心配・予想を裏付けるものとなった。
ダリオ氏は今回、ピンポイントで1937年との類似性を指摘している。

大恐慌からの6段階

3月の研究では、この年に至る出来事を次のように解説している。

(1) 1929年と2007年: 債務バブルが限界に達し、経済・市場がピークに
(2) 1932年と2008年: 不況の中、金利がゼロに
(3) 1933年と2009年: 量的緩和開始、デレバレッジ開始
(4) 1933-36年と2009-17年: 株式市場・リスク資産が上昇
(5) 1933-36年と2009-17年: 循環的回復で経済が改善
(6) 1937年と20??年: わずかな金融引き締めで自己強化的な停滞

金本位制停止と量的緩和

では、これら時代はいったいどういった時代だったろう。
長短金利から見てみよう。

1931-50年の米長短金利
1931-50年の米長短金利

2006-17年の米長短金利
2006-17年の米長短金利

1929年の大恐慌後も金利は極めて低かった。
1933年には金本位制が停止され、金融は緩和的になり、ドル安となった。
これは、2009年に始まった米QEと重なるところがある。
これらの政策は経済と市場を回復させた。
そこで、次に株式市場(ダウ平均)を回顧しよう。

(次ページ: 株価と戦争)