レイ・ダリオが自社をコンピュータ化

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Bridgewater AssociatesのRay Dalio氏が「未来の本」と称する秘密ソフト開発プロジェクトを進めているのだという。
市場最高のヘッジ・ファンドと称される運用会社の動きだけに秘密プロジェクトでありながら大きな注目を浴びている。

ヘッジ・ファンドとソフトウェアといえばAI運用を思い浮かべがちだが、そうではないようだ。
WSJのスクープ記事によれば、ヘッジ・ファンド運用会社の日々の経営をプログラムする試みということらしい。

「この試みは、ブリッジウォーターを急進的に開放された組織にし、ダリオ氏がいなくても持続可能にするという氏のライフ・ワークの総仕上げとなる。」

ダリオ氏の経営スタイルは独特だ。
Principles」という指導書を従業員に徹底させることは有名だが、この文書は就業規則というよりは職業のみでなく人生にまでわたる思想書・宗教書の趣きさえ感じさせる。
WSJはブリッジウォーターの社風をこう紹介する:

「ブリッジウォーターではほとんどの会議は録音され、従業員は互いに継続的に批判しあうよう期待される。
従業員はしばしば弱さについて調査を受ける。
人事評価は多くのデータに基づきダリオ氏の監視のもと下される。」

Principlesはいわばダリオ氏の基本原理であり、これをもとに、ダリオ氏は日々の組織運営を行っている。
今回のソフトは「日々のすべての局面でスタッフがどう時間を使い、従業員が個々の電話をかけるべきか否かまで」指令するのだという。

最近までのヘッジ・ファンド業界の不振は、世界最大手ブリッジ・ウォーターも例外ではない。
運用成績が振るわず、同社は他社同様人員削減を行っている。
今回の極秘ソフト開発も、そうした引き締めの一環と見えなくもない。
さらに言えば、コンピューター化の対象から言って、ヘッジ・ファンド業界だけの話でもない。
立派な会社がやるから過酷な批判を受けないですんでいるものの、一歩間違えばBig brotherになりかねない話だけに、先行きが注目されよう。