ラリー・フィンク:Kara’s Flowersとの出会い

ラリー・フィンク
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資産運用の世界最大手BlackRockのCEO、Laurence D. Fink氏が、カネ勘定とは異なる風情の話をしている。
フィンク氏が資金面を手伝って、トップ・アーティストMaroon 5を育てた話だ。

フィンク氏はBloombergとのインタビューの中で、珍しくベンチャー投資の話をした。

「私は音楽が大好きだけど、同時に若い人たちがキャリアを始めるのを助けるのが好きなんだ。
2000年頃、私はコロンビア・レコードのJames Dienerという若者に会った。」

ディーナー氏は音楽プロデューサー。
彼はフィンク氏に独立系レコード・レーベルの事業プランを見せ、2人のパートナーに紹介したのだという。
その姿がフィンク氏の胸を打ち、人肌脱ぐことになった。

「私はBlackRockのことを思い出した。
若く才能のある人たちが自分の事業を始めたがっている。
私はDienerとその事業モデルに興味を持ち前向きになり、資金調達を行った。」

こうしてフィンク氏はOctone Recordsの筆頭株主となった。
フィンク氏とディーナー氏のベンチャーは最初からクジラを吊り上げるのに成功する。

「私たちが最初に契約したのはKara’s Flowersというバンドだった。
私たちは彼らと一緒に働き、名前をMaroon 5に変えさせた。
Maroon 5の初めの5枚のアルバムは私たちだったと思う。」

Maroon 5はその後、グラミー賞やアメリカン・ミュージック・アワードを何度も受賞する人気アーティストになる。
フィンク氏とディーナー氏のベンチャーは金銭的にも大成功を収め、ハーバード・ビジネス・スクールのケース・スタディでも取り上げられている。

「このレコード会社では、不況の中でも大儲けしたよ!
その頃レコード業界に起こっていたことを考えてみるといい。
海賊版とYouTubeの時代だ。
人々は音楽を別のソースから得ており、CDを買わなくなっていたんだ。」

そんな逆風をものともせず、Maroon 5の人気は凄まじかった。
5枚のアルバムはすべてプラチナ・アルバムになっている。
資産運用業はとかくカネの面が注目されるが、こうした夢のある投資はさらに理想だ。
もちろんベンチャー投資というのは「千三つ」(千に三つしか成功しない)。
地道な投資で成功して使い切れない大金を稼げば、次はこうした夢のある投資をしてみたいと思う人も多いはずだ。