ラグラム・ラジャン:総裁退任の本当のワケ

ラグラム・ラジャン
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インド中央銀行総裁を昨年9月に退任したラグラム・ラジャン シカゴ大学教授の総裁退任理由が暴露された。
ラジャン氏は乱暴な高額紙幣廃止に反対し、半ば政府から追い出されたのだという。

インドのモディ首相は昨年11月8日夜、ルピーの高額紙幣2種を廃止すると発表した。
わずか数時間後の深夜0時には当該紙幣は廃止され、両替もできない市民は大混乱に陥った。
代替の紙幣を用意しない中での高額紙幣廃止のため、ベース・マネーが急減したインド経済は景気後退に苦しむことになった。

インド各紙・各テレビ局は11日、前財務相で議会重鎮のP. Chidambaram氏が5ページにおよぶ書簡の存在を暴露したと報じた。

「政府が透明だというなら、この書簡を公にすべきだ。
書簡はRBIを代表して書かれている。
高額紙幣廃止についてであり、なぜ実施すべきでないか書かれている。」

内容は紙幣廃止に反対するもので、RBIの誰かが中央政府にあてたもの。
その書簡の日付が、ラジャン総裁(当時)の退任日なのだという。

「政府はラジャン氏が職を続けるのを難しくし、今思えば、退任の一因となったのだろう。
政府は紙幣廃止を行いたかったが、ラジャン氏は反対していた。」

モディ政権とラジャン氏とは、たびたび金融政策について対立していた。
安易に利下げを望む政権に対し、安易には利下げに応じないラジャン氏。
世界一の中銀総裁と称されることもあったラジャン氏だが、それだけに政権からはやりにくい相手だったようだ。