マーク・ファーバー

マーク・ファーバー:全方向バブルに逃げ場はない

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スイス人著名投資家マーク・ファーバー氏が月例の市場コメンタリーで、2000年のITバブルと現在を比較している。
今回の資産価格高騰を「全方向資産バブル」と呼び、弾ければ逃げ場がないと警告している。

弱気相場では、将来のリーダー銘柄でさえ、弱気相場がもたらす価値の破壊による逆風を強く受けることを忘れてはいけない。

ファーバー氏は、強気を生むための詭弁に潜むウソを指摘する。
強気派はすばらしい企業のすばらしい点を挙げて、将来はバラ色だとアピールする。
しかし、現実には、将来世界をリードするような企業の株価でさえ、弱気市場の影響を逃れえない。
ましてや平均以下の企業の株価は甚大な影響を受ける。
一部企業のすばらしさが市場を救うといったレトリックは陳腐なまやかしにすぎない。

ファーバー氏は2000年のITバブルの崩壊時を思い起こす。

「2000年初め、株式市場のリード役の大きな変化が起こった。
テクノロジー、メディア、通信(TMT)セクターが歴史的な弱気相場入りし、オールド・エコノミー株がアウトパフォームし始めた。
しかし、変化は平穏ではなく波乱に満ちたものだった。
オールド・エコノミー銘柄はTMTセクターやNASDAQ指数こそアウトパフォームしたものの、2000-03年の弱気相場からのプレッシャーには晒されたのだ。」

こう回顧した上で、当時と現在の違う点も指摘している。
今回の資産価格高騰が、はるかに広範なセクター・銘柄で起こっているという点だ。

「2000年のバブルはTMTセクターに集中したものだったが、現在の資産バブルは007シリーズのスペクターのようにあらゆる場所に存在する(程度の小さな資産クラスもあるが。)。」

範囲が集中していたITバブルでさえ、市場全体に弱気相場を波及させた。
幅広い資産クラスで価格上昇が見られる「全方向資産バブル」で崩壊が始まれば、経済・市場への影響がはるかに大きくなるといいたいのだ。

「いつ弾けても経済的ダメージは全世界に及び、ほとんど逃げ場がないために資産保有者は値下がり損を被ることになる。」