ブラックロック

ブラックロック:ETFは投資の目標を忘れさせる

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資産運用の世界最大手BlackRockのMatthew Tucker氏が、債券投資のレクチャーをしている。
低金利や金利上昇予想など厳しい環境が続く債券投資だが、こうした中でも明らかな間違いを避けることは容易に実行できるという。

タッカー氏は公式ブログで、債券投資における明らかな3つの間違いを挙げ、それを避けるのは砂糖やテレビの量を控えるよりはるかに容易だと書いている。
タッカー氏が挙げる間違いとは以下の3つ:

何のための債券投資かを忘れてしまう

タッカー氏は債券の典型的な役割を
・株式のリスクの分散
・インカム(金利収入)
・元本の確保
とし、投資家は様々な理由(年齢、インカムの必要、リスク許容度など)から債券を選択するのだという。
ところが、投資家は実際に投資をする段になると、低金利という壁に直面し、最初に設定した目標を忘れ暴走を始めるのだという。

「何があなたにとっての答であっても、その答を堅持しろ。
最新の熱い投資トレンドや隣人の投資に惑わされてはいけない。
方針を堅持し、あなたの投資の目標にあった方法で投資をすることだ。」

目標にあわないものに投資してしまう

債券投資の役割を正しく堅持したからといって、それで間違いが起こらないわけではない。
タッカー氏は投資先の選択についても投資の目標との適合性を常にチェックするよう求めている。

「投資する前に自分にいくつか質問をしてみるとよい:
あなたが選んだ投資先は投資の目的にあっているか?
ポートフォリオの一部としてもあっているか?」

タッカー氏は、例として退職者の元本重視の資産運用に新興国債券を組み込むことを勧めた。
ただし、ボラティリティを抑えたい場合は新興国債券でなく短期債ファンドがいいだろうという。

金利が上がったときに債券を売る

タッカー氏は債券ETFで債券投資を行っている投資家が情報過多になっていると警告する。
債券を買った投資家の多くは、日々の上げ下げをさほど気にすることがない。
しかし、ETFを買うと、日々値がつくために短期的な金利変動でもともと長期投資のはずだった債券まで売ってしまいかねない。

「ETFは透明性と取引の自由を与えてくれるが、だからといって頻繁にトレードやリバランスを繰り返さなければいけないということではない。
手に入る情報によって惑わされ、計画から逸れてしまうことがないようにすべきだ。」

タッカー氏は、再投資を考慮すれば金利上昇は長期的な債券投資に有利に働くと書いている。
もちろん、金利変動を誰よりも正確に予想することができる投資家ならマーケット・タイミング戦略でもいいのだろうが、平均的な投資家が同戦略を取ることは(取引コスト分の)損失を確定させるだけだ。

タッカー氏の議論には債券投資家としてのポジション・トークが入っている可能性がある。
金利上昇が予想される中で、債券市場が壊れないようにしたいとの気持ちが入っていてもおかしくない。
それを加味しても、タッカー氏のアドバイスは価値があろうし、債券以外にも敷衍できる話だろう。