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ブラックロック:本当のリフレ・トレードはこれから

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資産運用の世界最大手BlackRockのJean Boivin氏が、リフレ・トレードはまだ終わっていないと主張している。
その議論から、リフレに対する米国の楽観的な姿勢・期待が見て取れる。

「『リフレ・トレード』という言葉が濫用されている。
きちんとした定義もなく、人によって異なる意味で使われているのに。
現在『リフレ』とはインフレから経済の拡大、トランプ米大統領の減税・規制緩和プランにいたるまであらゆるものを指して使われている。」

Boivin氏はブラックロックのブログで『リフレ』という言葉のあいまいさについて指摘している。
日本では物価目標の達成がまだまだ見通せないためか、リフレという言葉を使うことは少なくなった。
トランプ・ラリーを『リフレ・トレード』と称する人も皆無に近いが、米市場ではかなり認知を受け多用される言葉だ。

リフレの受け取り方の違い

Boivin氏は『リフレ』という用語をきちんと定義し、峠を越したとも言われるリフレ・トレードの今後の動向を占っている。

「米経済成長はわずかにトレンドを上回るペースを保っており、わが社が定義するリフレの基調を維持するだろう。
その定義とは:
賃金上昇が名目GDP成長を押し上げ、幅広いインフレ圧力を喚起することで前回の不況からつきまとうたるみを徐々に解消する。」

アメリカ人はリフレという言葉になんとも幸福な意味を込めていることをうかがわせる記述である。
米国での『リフレ』とは定義の段階から善とされているようにさえ読める。

リフレ政策の是非について、日本と米国の感じ方には大きな溝がある。
米国では、リフレとはコンセンサスのとれた最善の方策だ。
ところが、日本では今でも懐疑的な人の方が多いように感じられる。
日本におけるリフレの定義とは、インフレを誘導しようとする考え・政策であり、価値観の混入しない客観的なものだ。
それが国民の幸福をもたらすかどうかは別の議論だ。
《インフレになれば幸福になる》という命題は、直観的には説得力がない。
だから、リフレが最善とのコンセンサスはない。

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