ブラックロック:日本株を検討すべき

ブラックロック

資産運用の世界最大手BlackRockのRuss Koesterich氏が、日本株投資を検討するよう勧めている。
日銀の金融政策が有利な市場環境を提供すると予想するほか、日本株のバリュエーションは先進国の中で割安圏にあるという。

日本株の倍率は高くない

Koesterich氏は自社のブログで、2016年の市場を振り返っている。
前半と後半で鏡写しのような展開だったとする一方、変わらなかったものがあったと指摘する。
米投資家の米国株選好だ。
しかし、トランプ・ラリーで米国株が大きく上昇した今、米国株だけにしがみつくのは誤りだという。

Koesterich氏は日本株に注目するよう勧めている。
日本は、債券価格が歴史的高水準(金利は最低水準)にある一方、株価はまだ歴史的メジアンより低位にあるという。

「他の市場は、とりわけ米国も、倍率(株価収益率)の上昇によって株価が上昇してきた。
しかし、日本は企業収益の改善によって上昇した。」

日本株に有利な環境が続く

Koesterich氏は、今後も日本株に有利な環境が続くと予想する。
日銀がゼロ金利政策を続ける中、物価上昇率は上昇を始めており、実質金利が深くマイナス圏に沈むことで「超金融緩和状態」が期待されるという。
超金融緩和は円安を生み、輸出増につながる。
コーポレート・ガバナンスや自社株買い動向にも改善が見られ、ROEも向上している。

「米国では、S&P 500指数のPERは、市場が底を打った2009年以来、約75%も上昇した。
比較して、日本株は2012年の底以来、比較的フラットだ。
世界がどんどん割高になる中で、日本はバリュー投資の可能な市場となっている。」

Koesterich氏の観察を検証しておこう。
ロバート・シラー教授のCAPEで見た米国株のバリュエーションが下図だ。

ロバート・シラー教授のCAPE

確かに、米国株は上昇局面で倍率の上昇をともなっている。
これは、利益成長の期待が高まってきたことを意味する。
一方、日本のPERとCAPEは下図の通りだ。

東証一部の単純株価平均、PERとCAPE(近時)

アベノミクス初期の株価上昇局面でも、株価倍率はさほど上昇しなかった。
日本株の投資家は、日本企業の利益成長に慎重な見方をしてきたことがわかる。

(次ページ: 日本株投資のリスク)