ブラックロック

ブラックロック:今、日本株を検討すべき6つの理由

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資産運用の世界最大手BlackRockのIsabelle Mateos y Lago氏が「(今)日本株を検討すべき6つの理由」と題するブログ記事を公表している。
2017年も日本株は上昇するとしており、明るい新年を思わせるようなタイトルなので紹介しよう。

Mateos y Lago氏が指摘する、日本株の6つの追い風とは:

  • 円安
  • 日銀のイールド・カーブ・コントロールと世界的なインフレ傾向
  • 企業収益の持ち直し
  • 家計・企業のセンチメントの改善
  • 日銀のETF買いと日本企業の自社株買い
  • 日本株がバリュー主導からモメンタム主導に変わりつつある

こうした根拠から、Mateos y Lago氏は

「投資家は、日本株を長い間避けてきたが、再びウォーミング・アップを始めたように見える」

と書いている。
リスク要因もいくつか挙げられているが、いずれも世界の資産クラスにあまねく存在するようなリスクだ。
そうしたリスクは無視はできないが、過度に反応するのもいい結果を生まないかもしれない。

さて、景気のいい話はここで終わる。
ブラックロックは日本株の長期見通しについて不透明としているのだ。

  • 前向きな要因: 政治の安定、過小評価されている構造改革、国内投資家の株式へのシフト
  • 後ろ向きな要因: 値上げが進まず賃上げ・企業収益が不調に終わる

を挙げ、結論を導いている:

「現在、日本株を選好する理由は多いが、長期的な上昇を持続するには、円安だけでなく企業収益の質の抜本的改善が必要だ。」

まだまだ日本株は合格点をもらえていないようだ。

さて、もう一つブラックロックの論拠で注意すべきことがある。
Mateos y Lago氏は検討を始める前に、命題をこう正確に定義している:

「我々は2017年も日本株が上昇すると予想している。
短期的に(為替ヘッジした上で)日本株を選好する、互いに関連した理由が多く存在するからだ。」

「短期的に」のところがすでに紹介した話。
そして「(為替ヘッジした上で)」というのが別の話。
ブラックロックは円建てで日本株を保有することをはなから考えていない。
日本株を保有すると同時に円売りヘッジをすべきと考えているのだ。
日本株が円建てで上昇しても、円が減価すれば、投資価値は減殺されてしまう。
日本の場合、政府・中央銀行があからさまに通貨の減価を追及している。
日本株を円建てで保有することの不利は過去を見れば明らかだ。

何はともあれ、短期的にでも株が上がるのは喜ぶべきだろう。
では、その論拠の死角は何か。
ブラックロックが挙げた6つの追い風のうち、一つ完全に人為的なものがある。
日銀のETF買いだ。
(自社株買いも相当に人為的だが、少数の意思が市場全体に影響するという類のものではない。)
仮に経済が改善し、インフレ率も向上し、為替も安定し、株式も上昇しているとして、日銀が日本株インデックスを買う意義とはなんだろうか。
そうしたシナリオでは遅かれ早かれテイパリングを求める声が多くなろう。
状況がよければよいほど、テイパリングの対象はETF買いになるのではないだろうか。