ピーター・シフ:問題は「起こるか」ではなく「いつ」だ

ピーター・シフ
Share

Euro Pacific CapitalのPeter Schiff氏がCNBCであいかわらずの辛口トークを繰り広げた。
薬漬けにされた経済は、金利上昇により大きなリスクにさらされているのだという。

(経済悪化、ドル安、金利・インフレの急騰などは)物事がうまく行こうが行くまいが避けられない。
問題は、起こるかではなく、いつ起こるかだ。」

シフ氏の終末博士ぶりは相変わらずだ。
この人の弱気予想が人の心に刺さるのは、語られる根拠が一面において常識的であり、理に適っているためだ。
ある意味キワモノでありながら、同時にまっとうなところがこの人の魅力なのだろう。
シフ氏のリバタリアン的な考えは一貫している。

「米国の問題は、貯蓄が十分でないために生産のために必要な資本が不足し、税が高すぎ規制が多すぎるので減税・規制緩和が必要なことだ。
小さな政府に必要な資金調達のための改革を行わなければならない。」

父親から受け継いだ小さな政府の思想がシフ氏のバックポーンだ。
その上で、社会に「必要な資本」が足りていないと正しく指摘している。

「なぜ米国が競争力を失ったのか核心を問わないといけない。
トランプ政権がそれを成し遂げられるかはまだわからない。」

経済が停滞に陥る時、その根はそうそう浅いものではない。
供給サイドに課題が存在し、構造的な問題に取り組まなければならないという指摘は極めて正論だ。

シフ氏は、トランプ政権の保護主義について意見を尋ねられ、関税を設ければ貿易収支が改善するというものではないと答えている。
さらには、米社会に貿易赤字を悪いことと考えていない人さえいると嘆いている。

「貿易相手国に金利や配当を支払う義務を負いたくなければ、貿易黒字にし、豊かにし、資産を蓄積しなければならないが、米国はそうしていない。
貿易赤字の削減を交渉だけで成し遂げられるとは思えない。」

と場当たり的なツイートでは問題は解決しないとの考えを示した。

FRBの金融政策についても、あいかわらず厳しい。
景気刺激策は鎮痛剤にすぎないとし、FRBが経済刺激のために行うすべての施策は逆に経済を害していると批判する。

「刺激すべきなのは株価でも不動産価格でも債券価格でもなく、実質経済成長なのだ。
実質経済成長とは消費、貯蓄、投資から生まれ、それらは高い金利から生まれる。
高い金利が必要なのに、かわりに金融政策のヘロインが与えられ、病気になり、健康にならない。」

と長く金利を押し下げてきた中央銀行を批判する。
こうして薬漬けにされた経済が今、FRBの利上げや長期金利上昇に直面している。
シフ氏は、「市場は金利上昇の収縮効果を見過ごしている」と警告している。