ピーター・シフ:ブッシュJr.政権の再来を期待

Euro Pacific CapitalのPeter Schiff氏が、トランプ次期政権にブッシュJr.政権の再来を期待している。
米国を代表するgold bug(金の信仰者)は、財政拡大路線が経済のリスクを高め、金を浮き上がらせるのを待っている。

トランプ勝利は市場にどんな影響を与えたか。
多くの人はドル高、株高、債券安(金利上昇)と答えるだろう。
では、金価格はどう推移していたのか。


金(青)ダウ平均(赤)は選挙当日の11月8日を100とする指数(ただし、金はロンドン時間15時の価格)。
長期金利(緑)は右軸である。

選挙までのしばらく、金は株とやや似た動きをしていた。
金利は株と逆の動きをしていたから、債券価格は株と似た動きをしていたと言えよう。
(株は金融相場だった。)
ところが、トランプ勝利を境に、金と株、株と債券の関係は一変する。
金は株式と逆の動きをし、あたかも債券(または通貨)であるかのように振舞っている。
株と債券については、トランポノミクスへの期待感から株が(期待先行の業績相場とでもいうべき)上昇を始める。
結果、株と債券は逆相関の傾向を強めている。

シフ氏は現在の状況を「根拠なき熱狂」(irrational exuberance)と考えているとMarket Watchが伝えた。
「根拠なき熱狂」とは、アラン・グリーンスパンFRB議長(当時)がちょうど20年前の1996年12月ドットコム・バブルをはじめとする株価急騰を表現した言葉だ。
資産価格は高値圏にある。
シフ氏は、金利上昇の資産価格押し下げ効果が減税でもオフセットできないと考えている。
さらに、実体経済ではこれまでの超低金利の恩恵が消滅してしまう。

「(住宅・自動車など)大きなセクターは超低金利で成り立っていた可能性が高い。」

こうした不安材料があるから、シフ氏の心は折れていない。
現在がビル・クリントン政権の終わりに似ているとして、金上昇に期待を寄せた。

「クリントン政権の最終年には苦戦したが、(財政拡大した)ブッシュJr.政権の初めの7年で取り戻した。
トランプでこれが再来すると思い、準備万端だ。」

経済見通しには弱気を貫くシフ氏だが、自信のポジションにはいつも強気だ。
無理もない。
ブッシュJr.政権の初めの7年で稼いだシフ氏は、サブプライム/リーマン危機を予言して名を売ったのだから。