ピーター・シフ

ピーター・シフ:バランスシート縮小なんてできやしない

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Euro Pacific CapitalのPeter Schiff氏が、今日の発表が予想されるFRBのバランスシート縮小について笑いとばした。
FRBが金融引き締めを本格化すれば資産価格下落の引き金を引き、結局はQE4に回帰することになるという。

米国株にはダウンサイド・リスクを正当化できるだけのアップサイド・ポテンシャルがない。
株に投資するなら(私もやっているが)国際的に外国株にすべきだ。
米ドルはおそらく1985年以来の弱さであり、国内投資より外国投資の方が有利。
(内外の)バリュエーション・ギャップも大きく、米国株に対して外国株がこうも割安だったことはない。

徹底して米資産・米ドルに弱気の見方をしているシフ氏はThe Streetで、米国株より外国株への投資を勧めた。
何も米国株に上値の余地がないと言うのではない。
問題なのは米市場に大きな下落の可能性がある点なのだという。
シフ氏によれば、米大統領選まではFRBはオバマ政権のためにイエレン・プットを続けていた。
それがトランプ政権となり、FRBが弱気相場を許容する可能性が出てきたという。

FRBバランスシート縮小は実現しない

シフ氏は、市場のコンセンサスとは異なり、すでに米経済には後退の兆候が見られるとしている。
FRBはいったん引き締めを進めているものの、景気後退が鮮明になれば金融緩和に逆戻りせざるをえなくなる。
シフ氏はQE4が実施されると予想し、そもそもFRBはバランスシート縮小などできるはずがないと断言する。
FRBが再投資を停止して金利が上昇すれば、債券や住宅の市場が崩壊するだろうという。

「FRBはバランスシートをむしろ拡大させることになる。
バランスシートは(現在の4.5兆ドルから)10超ドルに拡大するだろう。
FRBには保有する国債・MBSをなくすことなんてできやしない。」

FRBのバランスシート(青)、保有国債(赤)・MBS(緑)
FRBのバランスシート(青)、保有国債(赤)、MBS(緑)

刺激策が経済を損ねる

シフ氏は、リーマン危機後の刺激策、次の後退期に実施されるであろう刺激策に対して批判的だ。

「FRBが2009-10年に行ったような刺激策は不必要だった。
この刺激策のせいで経済は治癒しなかったんだ。」

こうした批判は金融政策だけに向けられたものではない。
リバタリアンらしく、その矛先は財政政策にも向けられている。

「(債務上限で)政府閉鎖が起こるとは思わない。
もしも政府閉鎖となれば、それはプラスだ。
経済を自由化できる。
私が恐れるのは政府閉鎖とならず、政府が肥大し続けることだ。」

(次ページ: 株価を支えてきたものが逆回転を始める)