ピーター・シフ

ピーター・シフ:トランプ・トレードは一段落、ドル安へ

Share

Euro Pacific CapitalのPeter Schiff氏が、金や外国株への投資を進めている。
ドル高を生んだ金融政策のダイバージェンスが逆回転を始めるとの考えが背景にある。

「米国株市場は底堅く、外国株市場はより強く、新興国市場は極めて強い。
この傾向は続くと思われ、年後半には加速するだろう。」

シフ氏はCNBCで年初来の株式市場の動向をこう説明した。
史上最高値圏にある米国株を「底堅く」と表現することに違和感を覚える読者もいるかもしれないが、これには理由がある。
シフ氏の言う強弱は、為替調整後のリターンの強弱を言っているのだ。
米資産・米ドルの凋落を予想するシフ氏は、顧客に金や外国資産への投資を勧めている。
同氏にとっては為替調整後でリターンを比較するのは当然のことなのだ。
むしろ、異なる通貨建てで株価の強弱を比較することには大した意味はない。

「私は(トランプ)トレードはかなり解けてきたと思う。
トランプ・トレードの初期は米ドル高だった。
ドルは選挙後のゲインを100%吐き出してしまった。」

選挙直後のトランプ・ラリーは米株高・米ドル高であり、まさに米国株の価値が上昇したと言える。
ところが、このうちのドル高要因はその後剥落する。
いくらドル建て株価が上昇しても、ドル安に振れていては、外国株との比較上不利になる。

「結果、年初来でS&Pが上がっていても、金との相対価格で言うと下落している。
米国株市場は世界の株式市場の中で最悪のパフォーマンスになっている。
トランプ・トレードは機能していないようだ。
機能するトレードは、金や外国株を買うことと思われ、私はこれまでそうしてきた。」

まさに現状はシフ氏の事業にとって好ましい展開だ。
シフ氏はさらにドル安予想のための布石を打つ。
FRBが金融緩和に逆戻りすると予想しているのだ。
本当にシフ氏の予想が当たるなら、確かにこれはドル安要因だ。

「FRBがデータ次第と言いながら、期待より弱いデータの現実に反して利上げしたとしても、市場は利上げの先に利下げを見据え始めるだろう。
金融緩和サイクルが始まろうとしている。
大西洋の向こうではECBが金融緩和サイクルを終え、引き締めを始めようとしている。
為替市場はこの政策のダイバージェンスに注目するようになるだろう。」