ピーター・シフ

ピーター・シフ:トランプはスケープ・ゴート

Share

Euro Pacific CapitalのPeter Schiff氏は、米経済の停滞が遠くないうちに訪れ、ゼロ金利・量的緩和に逆戻りすると予想した。
FRBの一連の金融政策は実体経済を損なうだけでなく、金融システムの安定を脅かしているという。

「(FRBの)バランスシートを縮小するのは、拡大(=量的緩和)するよりはるかに難しい。
量的緩和は(緩和・引き締めサイクルの)楽しい部分だ。
量的引き締めは難しい部分であるだけでなく、本当のところ不可能な部分だ。」

シフ氏はロシアRTで、量的緩和を巻き戻すのは不可能と断じた。
ただし、イエレンFRB議長がバランスシート縮小に着手することはできるとし、それが完了するはるか前に金融緩和に後戻りするだろうという。
結局のところ、ゼロ金利や量的緩和QE4が再開されるとシフ氏は考えている。

シフ氏は米経済にとことん弱気であり、米市場には危機が訪れると一貫して考えている。
9年目に入った景気拡大は刺激策頼みのものであり、拡大と言っても過去のような力強さは見られないという。
景気循環はいつ下向いてもおかしくなく、そうなればFRBは量的緩和に逆戻りするしかないとの読みだ。

「経済成長をもたらすような金利を望むなら、市場に金利を決めさせるべきだ。
FRBにやらせれば、いつも間違える。
高すぎるか、低すぎるかだが、たいていは低すぎる。
金利が低すぎれば、経済を歪めてしまう。」

リバタリアン的な経済観を持つシフ氏は、金融政策が失敗していると指摘する。
低金利が実体経済に悪影響を及ぼし、金融経済の不安定をもたらすと警告する。

「それ(低金利)がもたらすのは投資の減少による低成長だ。
貯蓄や実質的な生産が不足する。
資源を実体経済から金融経済に逸らしてしまう。
結果は、これまで見てきた資産バブルと弱い経済だ。」

シフ氏のFRBへの不満は、純粋な政策の中身に対するものだけではない。
政権交代と時期を同じくして金融引き締めペースが早まった点を挙げ、FRBの政治的立ち回りであると指摘する。
そこで思い描かれているのは、おぞましいほど邪悪なFRB像だ。

「FRBが利上げに大胆になったのは、ドナルド・トランプというスケープ・ゴートを見つけたからだろう。
ドナルド・トランプが経済を自分の手柄にしたのは戦略間違いだった・・・
・・・FRBはそれを逆手にとって、すべてが失敗した時にすべてトランプのせいにできる。」