ビル・グロス:3%成長を織り込む資産価格

債券王ビル・グロス氏が、現在の資産価格には割高感があると警告している。
市場はあまりにもトランポノミクスに過剰な期待を寄せているという。

「(グロス氏が所属する)ジャナスでは、リスク低減をしながら、5-10%でなく4-5%のリターンを目指している。
ハイ・イールド債を減らし、デュレーションを減らしている。
2.25%という米10年債利回りでは価格下落のリスクが増しているからだ。」

グロス氏はBloombergで、現在の投資環境の難しさを説明した。
守りに入りたいのが本音のようだが、それではアクティブ運用の運用者としての存在意義が問われる。
現金保有は「究極の保守的選択肢」だが、それだけではほとんど利回りが得られない。
用心しながらも、一定のリスク・テイクはやめられない。

グロス氏は、資産価格が歪められ高止まりしていると考えている。
主な原因の一つは金融緩和、もう一つはトランポノミクスへの過信だ。

「もしも3%成長が実現できなければ、それが今後の企業収益、ハイ・イールド債のスプレッド、リスク資産にどういう意味を持つだろう?
過大評価されているということだと思う。」

トランプ政権が目指すリパトリ減税についてもグロス氏は慎重だ。

「前回は15年前、ブッシュJr.政権で実施された。
企業は(海外から回収した資金を)実体経済に投資せず、自社株に投資した。」

商品価格に関しましては、リンクが作成された時点と現時点で情報が変更されている場合がございます。お買い物される際には、必ず商品ページの情報を確認いただきますようお願いいたします。また商品ページが削除された場合は、「最新の情報が表示できませんでした」と表示されます。 資金のリパトリエーションを促しても実体経済に還流しない。
それでも個別銘柄の株価は上昇するのだろうが、実体経済に投資されて再生産が進むのと比べれは、押し上げの勢いは強くない。
グロス氏は、過去数年リパトリエーションに限らず企業が事業で得たキャッシュフローを事業投資ではなく自社株買いにあててきたと指摘。
これが生産性向上の鈍さの一因であると話す。

トランプ大統領は、選挙公約を端から覆そうとしている。
選挙中はFRBの金融政策を厳しく批判していた大統領だが、先日は自ら招いたドル高を嫌い低金利を望むと宗旨替えした。
このため、以前はないと考えられてきたイエレンFRB議長再任の目が出てきた。

「イエレン議長は相当にハト派の議長だ。
イエレン再任となれば、債券市場、特に短期債には有利に働くだろう。」