ビル・グロス:3と2.6

債券王ビル・グロス氏が月例の顧客向け書簡を公表した。
その中で市場動向を占うために重要な2つの数字を挙げた。

グロス氏は月例書簡の中で、2つの重要な数字を挙げている。
実質成長率と長期金利である。

実質成長率3%と2%の差

商品価格に関しましては、リンクが作成された時点と現時点で情報が変更されている場合がございます。お買い物される際には、必ず商品ページの情報を確認いただきますようお願いいたします。また商品ページが削除された場合は、「最新の情報が表示できませんでした」と表示されます。 グロス氏によれば、実質成長率2%と3%の差が決定的なのだという。
2%は過去10年間の趨勢であり、トランプ氏は3.5%の成長率を実現すると話してきた。

「歴史的に3%の成長率は企業収益を高水準に維持する。
高成長に依存する財務レバレッジ・営業レバレッジが効いてくるからだ。
2%以下の成長率は通常、企業収益を抑制する。」

グロス氏が言いたいのは、高成長が実現すれば

  • B/Sにおいては安い資金調達である借金を利用できる
  • P/Lにおいては固定費を抱えることで利益率上昇ペースを速めることができる

ということだ。

トランプ効果は一時的

グロス氏は、すでに米経済の供給力がほぼ完全稼働の状態にあることを指摘し、本当に共和党・トランプ政権が高い成長率を実現できるのかと疑問を呈する。

「そうするためにはかなりの投資資金が必要となるが、そうした資金の使い道はこれまで企業の自社株買いやM&Aの後回しにされてきた。」

供給力を拡大しない限り、成長は頭打ちになる。
そうなれば、政策がもたらす需要増はインフレを高進するだけで終わる。
皆は浮かれ始めているが、グロス氏は依然慎重だ。
趨勢的な要因は何ら変化しておらず、New Normalや趨勢的停滞の危機が去ったわけではないからだ。

トランプ政権だろうがなかろうが
・高齢化など人口動態
・高い債務対GDP比率の中での金利上昇
・機械化による雇用の減少
・グローバリゼーションの減速・巻き戻し
などはなくならない。
グロス氏によれば、トランポノミクスは一時的には成長率を押し上げる可能性があるが、長期的趨勢は2%のままにとどまる可能性が高いという。

「2%の長期的水準は企業収益の行き詰まりとリスク資産の価格上昇の減速をもたらすだろう。」

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