ビル・グロス:金融抑圧は続く

債券王ビル・グロス氏がFOMC利上げを受けて、今後の展望を語っている。
今後FRBが年3回程度利上げすると予想しながら、金融抑圧の状態は続くと語った。

グロス氏はBloomberg番組で、今後数年FRBは年3回程度の利上げを行うだろうと予想し、その理由を述べた。
(年3回とは、25 × 3 = 75ベーシスを指すものと思われる。)

「世界や米国の経済には高いレバレッジがかかっており、住宅市場がその影響を受け始めている。」

タダ同然の金利での借金が可能な中、住宅など資産価格にバブル的な兆しが見えるとの見方を示唆したものと思われる。
グロス氏は、イエレンFRB議長が海外への波及効果も気にかけているはずと推測した。
以前から、グロス氏は「新興国はドル建ての債務を多く抱えている。利上げでドルが上昇すれば、債務の返済が重荷になる」と懸念していた。

インフレ・賃上げ・金利上昇が投資に与える影響としては、投資家が想定している以上に企業収益が影響を受けるとの見方を示した。
過去の企業収益の改善過程では空前の低金利の恩恵を受けており、その剥落が企業収益の巻き戻しを起こしうるからだ。

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名目金利がインフレさえカバーできない金融抑圧が今後も続くという。

「重要な問いは、すでに完全雇用の中で将来の適正な実質金利がどれぐらいになればいいかということ。
私たちはテイラー・ルールが指し示す実質金利2%の世界には戻れない。
0%かマイナス金利にとどまる必要があり、これは金融抑圧だ。」

最後に米国債・米TIPS・米ブレークイーブン・インフレ率(BEI)を見ておこう。

10年

青:名目金利緑:実質金利赤:BEIである。
幸いトランプ勝利後の名目金利の上昇の多くが実質金利の上昇だ。
10年フィックスで投資すればインフレ調整後で0.5%程度のリターンが得られることになる。

5年

こちらも同様の傾向が見えるが、実質金利はかろうじて水面上にある程度だ。
つまり、10年の0.5%の中には多分に期間プレミアムなどのリスク・プレミアムが含まれている。
(0.5%の多くは、リスク・テイクに対する報酬でしかない。)
短期金利がどうかは推して知るべしだろう。

両方のグラフでBEIは2%の物価目標に向かって上昇している。
イエレンFRB議長が「2%のインフレ目標を上回ることを望まない」のなら、FRBが利上げを急ぐのも当然だ。