ビル・グロス:混乱の引き金を引くのは日欧

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昨日のFOMCでは利上げが決定されたが、債券王ビル・グロス氏の注目点はもはやそこにはないようだ。
世界の債券市場の要所は日欧にあるという。

「財政問題は強調してきたように重要だが、最重要課題ではない。」

今後の注目課題を尋ねられ、グロス氏はECBと日銀の動向と答えた。
最近、米国債と米国株が同時に買われる展開が散見される。
金融相場だと言えばそれまでだが、金融引き締めに動きつつある米市場が金融相場とはどうしたことか。
マネーはどこから来るのか、グロス氏は解説する。

「マネーはユーロ圏から、ECBの月800億ドル、年1兆ドルの資産買入れからやって来る。
10年金利を0-0.10%にペッグする日銀の量的緩和からやって来る。」

米FRBが金融引き締めに動いても、ECBや日銀が膨大な流動性を供給している。
このECBや日銀の金融政策に変化が訪れれば、世界の金融環境は本格的に変化を始める。

「数か月はないだろうが、一たびドラギECB総裁がテイパリングを始めたら、月800億ドルの買入れを縮小したら、日本の10年金利0-0.10%のキャップが外れたら、債券市場は世界的に大混乱に陥るだろう。」

一方、グロス氏はFRBの金融政策については心配していない。
予想どおり利上げは進んでいるが、イエレン議長は依然市場の混乱を恐れており、スタンスはハト派のままと見ているからだ。
議長が市場に示唆してきたように、今後も利上げは緩やかなペースにとどまるはずという。
イエレン議長の任期は2018年1月末で満了するが、グロス氏は後任についてもハト派を予想している。

「大統領はいつでもハト派の議長とハト派の政策委員を任命し、次の選挙まで景気を持たせようとするものだ。」