ビル・グロス:有言実行が不況を招く

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債券王ビル・グロス氏が、10月からのバランスシート縮小を決定したFRBの金融政策の先行きについてリスク要因を指摘した。
バランスシート縮小に理解を示す一方で、FF金利引き上げを急げば不況を招きかねないと警告した。


Bill Gross: Recession could happen if Fed follows dot plot from CNBC.

もしもFRBが今後2年でFF金利を2.8%、あるいは3%にまで引き上げる計画をその通り進めていけば、現時点から170ベーシスの上昇になる。
そうなれば、不況が起こってもおかしくない。

グロス氏はCNBCで、FRBの難しいかじ取りを予想した。
米経済の先行きは、FRBが金融引き締めを計画通り進めるかどうかにかかっているとし、もしもFRBがドット・チャート通りにFF金利を引き上げるなら不況のリスクが高まるとした。
グロス氏の指摘は明確だ。
FRBは今回のFOMC決定通りバランスシートを縮小することで、イールド・カーブとバランスシートを正常化すべきだという。

「基本的にFRBはイールド・カーブを正常化し、今よりスティープな曲線にしたいはず。
イールド・カーブがフラットよりスティープな方が銀行に有利に働き、信用創造をスムーズにするからだ。」

FRBの有言実行が不況を招く

バランスシート縮小は量的緩和の巻き戻しだ。
その意味で量的引き締めと言わざるを得ないし、それによって長期金利に上昇圧力も加わるだろう。
しかし、この長期金利上昇は信用創造を刺激するという可能性を含んでいる。
これは前向きな効果でもあり、量的緩和の副作用の巻き戻しでもある。
この効果が発揮されるには、イールド・カーブがスティープになるよう短期金利上昇が抑制的である必要がある。
グロス氏は(まだ判断するには早いものの)FRBが20日の市場の動きに満足していないだろうと読む。

「今日のイールド・カーブの動き(フラット化)は2-3ベーシスと取るに足りないものだったが、FRBの意図に反するものだった。
バランスシート縮小は単純にスティープ化を図るものだが、一方で市場にFF金利引き上げも示唆している。
FF金利は依然重要と受け取られ、FRBのドット・チャートもそれを示している。」

つまり、FRBがドット・チャートにしたがって利上げを行えば、黄信号・赤信号が灯りかねないというのだ。

(次ページ: 不況を告げるイールド・カーブ)