ビル・グロス:新プラザ合意は必要ない

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債券王ビル・グロス氏が、米雇用統計、経済成長、ドル高についてコメントした。
米経済は期待されるほどには加速せず、日欧経済がキャッチアップすることで、米ドル高は頭打ちになると予想している。

オバマ政権最後となる1月の雇用統計が米労働省から発表された。
非農業部門雇用者数は前月比227千人増(前月は157千人増)と市場予想を大きく上回った。
失業率は4.8%と小幅上昇。
平均時給は前年同月比2.5%増と市場予想を下回った。

「少々分裂気味の統計だった。」

グロス氏は雇用統計をこう表現した。
雇用者数増は強かったものの、賃金の伸びが鈍化しているためだ。
経済は最終的には消費者による消費によって支えられているとし、2.5%の時給増では「スロー経済」にとどまると指摘する。
現状、実質成長率2%程度の米経済は、トランポノミクスの諸政策を講じても公約の3-4%には届かないというのが従来からのグロス氏の見方だ。
経済成長を押し上げるには生産性の向上が不可欠であり、それには適切な投資が必要。
トランポノミクスがそれに十分な内容をともなっているとは見ていないのだ。

グロス氏は米ドル高が継続するとは予想していないという。
米国の財政政策への期待、米国と日欧の間の金融政策のダイバージェンスが生んだ最近のドル高だが、いつまでも続くものではないという。

「ECBも日銀も依然として巨額の量的緩和を継続している。
これが、米ドルや米経済成長を押し上げている。
しかし、日欧の経済も2%に近づくに連れ、釣り合っていくものと予想している。」

グロス氏は、行き過ぎたドル高が米経済・世界経済の脅威になることは認めている。
しかし、その是正のために新たなプラザ合意のような国際協定が必要になるとは考えていないという。