ビル・グロス:利上げがイールド・カーブを平坦化させる

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債券王ビル・グロス氏が、14日のFOMC利上げについてコメントした。
短期主導の金利上昇はイールド・カーブのフラット化圧力となり、悪影響を及ぼしかねないと語った。

昨日まで開催のFOMCでは、市場予想どおり1年ぶりの利上げが決定された。
FF金利は25ベーシス引上げられ0.50-0.75%とされた。
いわゆるドット・チャート(FOMCメンバーによる金利予想)は上方修正され、その中央値が示す2017年の利上げ回数は3回(計0.75%)となった。
9月の同チャートでは2回だった。

これを受けて、米金利市場は長短ともに上昇し、ドル相場も素直に上昇した。
ドル円は一時117円台をつけている。
株式はS&P 500指数が終値2,253.28(前日比▲0.81%)に下落、原油はドル高の影響などから低下した。
トランプ・ラリーで好調だった金融株も下落を逃れなかった。

グロス氏は、この金融株の動きについてCNBCでコメントしている。
FOMC決定には、ハト派よりからタカ派よりへの変化が見られたとし、金融機関の収益にとって重要な長短金利差の拡大期待が後退する可能性があるという。

商品価格に関しましては、リンクが作成された時点と現時点で情報が変更されている場合がございます。お買い物される際には、必ず商品ページの情報を確認いただきますようお願いいたします。また商品ページが削除された場合は、「最新の情報が表示できませんでした」と表示されます。 「短期金利上昇が大きくなると、ある程度イールド・カーブがフラット化する。
これが(長短の)利ザヤを縮小する。
少なくとも短期的には金融株上昇は一服するだろう。」

こうした金融環境での投資戦略を尋ねられ、グロス氏はボラティリティの売りを挙げた。
株式に限らず債券などでもボラティリティを売ることで、ポートフォリオの利回りの向上が期待できるという。

Reutersによれば、イエレンFRB議長は会見で

高圧経済の運営を選好すると言ったことはない。
・・・
2%のインフレ目標を上回ることも望まないが、一方で目標を下回る状況が続くことも望んでいない。
だが過熱気味の経済運営を実験的に行うことを推奨しないと明言する。」

と語っている。
日欧ではやりのオーバーシュート型の政策運営を否定した形だ。
米大統領選のタガがはずれ、FRBは金融引き締めのアクセルを踏み込み始めた。
短期金利主導の金利上昇となれば、グロス氏の指摘通りイールド・カーブはフラット化しかねない。
日本がイールド・カーブ・コントロールを導入したとおり、フラット化は金融機関の機能不全を引き起こすだけでなく、実体経済にも悪影響を及ぼしかねない。
これを回避するには、さらなる米長期金利上昇が必要となるが、そうなれば他市場への波及は小さくないだろう。