ビル・グロス:債券は好みじゃない

債券王ビル・グロス氏が、債券を見放した。
日米欧の債券は中長期にわたって魅力的なリターンをもたらさないだろうという。

「債券は私の好みの投資対象じゃない。」

債券王が債券を見限った。
ゼロ金利に近い日欧の債券だけではなく、米国債まで魅力に欠けると話したのだ。
現在の米長期金利は2.5%程度。
イエレン議長が約束するように緩やかにしか利上げが進まないなら、米長期国債の利回り上昇もたかが知れている。
2%の物価目標と比べた場合、見劣りが否めないのだ。

グロス氏は、危機後のNew Normalが終わってもOld Usualは戻って来ず、New Neutralが訪れるだけと考えているようだ。

「実質中立金利はゼロ%より低いと見ている。
過去5年、ゼロよりはるかに低かった。
リーマン危機前までは1-2%だった。
ここで浮かぶ疑問は、高いレバレッジのかかった状態で、今後の中立金利はどのようなものになるかだ。
私は、名目ベースの中立金利は2-2.5%になると思う。」

米国が2%の物価目標を達成しつつある中で、名目中立金利がわずか2-2.5%しかないというのだ。
グロス氏の見方が極端に弱気なだけなのだろうか。
確かに少々弱気に見えるが、そう極端なものでもない。
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「FRBは2019年で3%と予想しており、だとすれば、実質金利では長期的には0%レベルになる。」

債券では、実質リターンをとるのが難しい市場環境が続くということだ。

グロス氏は、なぜFRBより金利上昇を控えめに見ているのだろうか。
その一因には、FRBが匂わすバランスシートの縮小に対する見方がある。
日米の中央銀行が、国の経済規模に比べてあまりにもバランスシートを拡大させてしまったと指摘、FRBの示唆を真っ向から否定する。

「FRBも日銀も、決して決してバランスシートを縮小しない。」

バランスシートが過大になっている中で金利上昇を容認するのは難しい。
容認すれば、すぐさま中央銀行は財務悪化に見舞われかねない。
バランスシートが縮小できないまま正常化するには、経済の方を(実質成長またはインフレによって)拡大することだ。
しかし、それには気の遠くなるような年月がかかるだろう。

グロス氏は、ボラティリティを売る投資戦略にも言及したが、その顔は必ずしも期待に胸をふくらますというような印象ではなかった。