ビル・グロス:パリ協定離脱は株式にマイナス

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債券王ビル・グロス氏が2日発表の米労働省雇用統計についてコメントした。
FRBの金融引き締め方針に変化はないとしたほか、米国のパリ協定離脱は株式市場にとってマイナスと語った。

「今回の回復期も9-10年になり景気は成熟しつつあり、雇用創出も低下してきた。
これは予想されたことだ。
市場は予想していないが、私が予想する将来の実質2%成長が実現しつつあるのだと思う。」

グロス氏はBloombergで、5月の雇用統計を想定内の結果と話した。
5月の非農業部門雇用者数増(季節調整済み)は前月比138千人と市場予想182千人を大幅に下回った。
一方、失業率は4.3%(前月比0.1%ポイント減、市場予想なみ)と2001年5月以来の低水準。
平均時給は市場予想なみの前月比0.2%増、前年同月比2.5%増。

グロス氏は、今回の雇用統計が6月のFOMCでの利上げ判断に大きく影響することはないだろうという。

「商業用不動産などの分野での金融バブルについて言えば、各国中央銀行が世界経済に大量の石炭をくべている。
ECBと日銀は今では各々4.5超ドル超、FRBより大きなバランスシートを抱えている。
世界経済には莫大なマネーが流入している。
FRBがそれに加担し利上げをやめ年内バランスシート(縮小)への言及をやめるのは間違いだ。」

米国の国際社会へのかかわり方の変化について尋ねられると、グロス氏は市場にとっても重大な変化だと指摘した。
パリ協定離脱を例に挙げ、哲学なき行動と嘆いた上で、市場へのインプリケーションを説いた。

商品価格に関しましては、リンクが作成された時点と現時点で情報が変更されている場合がございます。お買い物される際には、必ず商品ページの情報を確認いただきますようお願いいたします。また商品ページが削除された場合は、「最新の情報が表示できませんでした」と表示されます。 「株式は長期的なキャッシュフローに依存する。
地球温暖化は長期的な債務を増やし、株式は最終的にはその債務のための費用の影響を受ける。」

株式投資家は遠い先の読めない能天気な人が多いから、今でこそグロス氏の悪影響を悪い材料とは捉えないだろう。
それどころか、地球を疲弊させることで得られる短期的利益(石炭産業など)に目をやるのかもしれない。
しかし、そのつけはいつか払うことになるというのがグロス氏の心配だ。
賢い債券投資家らしい世界観だ。

史上最低水準にあるボラティリティについては注意を喚起している。
低ボラティリティを前提としてリスク・プレミアムの小さな投資に手を出せば、状況が変化したときの痛手も大きくなると語った。