バイロン・ウィーン:先進国は危険なポイントに

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Blackstone Advisory PartnersのByron R. Wien氏が月例のコメンタリーで、包括的に理路整然と悲痛な危機感を綴っている。
いつも明るさを忘れない同氏からすると、今回のトーンはやや驚きだ。

「理由が何であろうと、金利は上昇すると思われていた。
よって、米10年債利回りがこの2.3%にあるということは驚きだ。」

日本人には遠く感じられるかもしれないが、米市場関係者の間では最近の米金利の低下は大きな驚きなのだ。
この現象は、米国株と米国債が異なる景況感を感じ始めたことを意味し、米国債が買われているということは、債券市場が米経済に弱気の見方をしていることを意味する。
株式市場と債券市場のどちらかが誤っているのか、経済は本当に停滞に向かっているのか、考えるべきことは少なくない。

米国株はじりじりと上げるが米長期金利は上昇をやめた
米10年債利回り(青)とS&P 500指数(赤)
米10年債利回り(青)とS&P 500指数(赤)

債務拡大、金利低下、格差拡大

ウィーン氏がめぐらしたのは世界的な債務と格差の拡大だ。
債務を積み上げた経済は高い金利に耐えられず、自律的にあるいは金融政策によって金利が低下してきた。

米10年債利回り
米10年債利回り

ウィーン氏は世界経済が1980年に変化を始め、それが富の格差をもたらしたと回想し、重要な2つの出来事を挙げている。

  • 日本が世界市場でコンシューマー・エレクトロニクスや自動車を売り始め、グローバリゼーションを本格化した。
  • アップルが最初のPCを発売し、インターネット、スマートフォン、テクノロジーが世界で生産性を向上させ始めた。

「この2つの進展は世界の経済成長によい影響を及ぼしたが、同時に格差を拡大した。」

(次ページ: 日本とアップルが格差拡大を先導した)