バイロン・ウィーン:今は低金利だ

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Blackstone Advisory PartnersのByron R. Wien氏の今月の市場コメンタリーは、8月に4回に渡って投資家らを招いたランチ・ミーティングについてだった。
FRBのバランスシート縮小が近いと言われる中、金融引き締めを強く意識した議論が交わされている。

しかし、過去の倍率は、今日わずか2%余りでしかない米10年債利回りが5-7%だった高金利環境の時代のものだ。

ウィーン氏もランチに招かれたトップ・ティアの投資家たちも、米市場の高さ感覚をつかみかねている。
米国株は史上最高値を試す展開が続き、PERもCAPEレシオも相当に高い水準にある。

「過去のPERレシオを見る限り、企業収益が予想を上回り続けると仮定したとしても、市場は間違いなくせいいっぱいの価格がついている。
株式は完ぺきな出来を前提に値がついているように見える。」

複雑に作用しあう市場心理

ウィーン氏は現在の高値圏を「貪欲が恐怖に勝った」結果と表現した。
CAPEレシオの生みの親ロバート・シラー教授なら「アニマル・スピリット」とでも呼ぶだろうか。
そのシラー教授は、企業業績CAPEレシオも中央回帰すると語っている。
一方で、強気派の先鋒ジェレミー・シーゲル教授は、低金利・企業業績の改善・市場心理等を根拠に現在がバブルではないと語っている。
ウィーン氏とその招待客はどう考えているのだろう。

「現在の(低)金利は、おそらく30倍程度の高い倍率(PER)を正当化できようが、そこまでリスクを取りたいという投資家はほとんどいなかった。」

この用心深い市場心理が過去のバブルとは異なるとして、さらに買いを勧める人がいる。
買い煽りとは、熱狂でも用心深さでも成立しうるもののようだ。

ウィーン氏によれば、市場は常に10%程度の調整を迎えうる。
だから、調整が起こるのは常に不思議ではない。
ところが、本格的な弱気相場となると話は別だ。
ウィーン氏は、弱気相場が常に不況とともにやってくること、経済に深刻な悪化の兆しが見えないことを指摘している。
経済のファンダメンタルズを見る限り、次の不況・弱気相場まではまだ数年あるだろうという。

(次ページ: 債券市場に蔓延する緩み)