バイロン・ウィーン:それでも日本株は買い、ドルも買い

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Blackstone Advisory PartnersのByron R. Wien氏が月例コメンタリーで、欧州出張の内容を紹介している。
この中から取り急ぎ、日本と為替に関する部分を読んでおこう。

「(欧州投資家の)反対意見とは、(日本)市場が好調である唯一の理由が大規模な金融刺激策にすぎないというものだ。
安倍晋三首相の第3の矢、つまりガバナンスの改善・規制改革・投資はまだ実現していない。」

7月のマーケット・コメンタリーの中でウィーン氏は欧州投資家の見方を紹介している。
ウィーン氏は「2017年の10のサプライズ」において、米中経済の改善により日本の実質成長率がこの10年で初めて2%を超え、日本株の上昇が他の先進国を上回ると予想していた。
日本への強気は今も変わらず、欧州出張でも

  • 有望と考える新興国市場はインド
  • 日本株は過小評価されている

と投資家に話したのだという。
インドについてはほとんどの人が同意したものの、日本については多数から反論を浴びたというのだ。
ウィーン氏は、日本を推す理由

  • 企業収益が好調(第1四半期は27%増)
  • バリュエーションが欧米より安い
  • 機関投資家のポートフォリオにしめる日本の構成比は過小

を説明したが、欧州の投資家はあくまで懐疑的だったらしい。
それでも、ウィーン氏の日本推しは変わらない。

「彼らが心変わりし、買い始めたら、結果は劇的に変化するだろう。」

為替について、ウィーン氏は年初、ドル円130円、ユーロ/ドル1.00ドルとドル高を予想していた。
これまでのところ、トランプ・ラリーで昨年末ドル高が進んだ分、年初からはそれを吐き出すようにドル安が進んでいる。

ドル/ユーロ(赤)とドル/円(青)相場(昨年末=100)
ドル/ユーロ(赤)とドル/円(青)相場(昨年末=100)

ウィーン氏は、これまでの逆行の原因をトランプ政権の成長戦略が遅々として進まないためと分析している。
景気やインフレを刺激すると期待されていた税制改正・大幅な規制緩和・インフラ支出はロシアゲート等で後倒しが決定的になりつつある。
しかし、これについてもウィーン氏は、程度は別として、年初の予想が実現すると考えている。
根拠は、政治の駆け引きだ。

「私は依然いくつかの法案が年末または2018年初めまでに議会を通過すると信じている。
それは共和党にとって喫緊のテーマだ。
何か実質的な成果なしには共和党は2018年の議員選挙に突入できない。
もしもそうなれば、下院で大きな議席を失うことになるだろう。」