バイロン・ウィーン:それでもまだ上がる

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Blackstone Advisory PartnersのByron R. Wien氏が、年内の米国株の見通しを公表した。
2つの課題がありながらも、さらに最高値を更新していくだろうと言う。

投資家が十分に注意を払っていない2つの最重要課題が、生産性と中央銀行の供給する流動性の金融市場での役割であると私は引き続き信じている。」

ウィーン氏は7月の月例書簡をこう始めている。
生産性の向上は、企業収益や生活水準の向上に不可欠なものだ。
一方、もしもFRBがバランスシート縮小を始めれば、マネー・サプライを絞ることを意味し、弱気サインとなる。
米10年債利回りは足元で上昇に転じたようにも見える。
市場は、同利回りが3%に向かって上昇を始めたのではないかと心配しているのだという。

「米10年債利回りが2.5%以下の水準では、私の配当割引モデル(株式と債券が同様に魅力的になる時点を決めるために設計したモデル)によると、S&P 500の均衡点は3,000だ。
したがって、株式(S&P 500)が2,460の水準はとても魅力的に見える。」

S&P 500指数(青、左)と米10年債利回り(赤、右)
S&P 500指数(青、左)と米10年債利回り(赤、右)

現状なみの金融政策が維持され、米金利が大きく動かないなら、S&P 500は3,000まで買えるというのだ。
換言すれば、現状より2割以上上がらない限り、魅力度において米10年債に負けないということだ。

「10年債利回りが3%まで上昇するなら、同モデルによると現在のS&P 500の水準は割高となる。
同モデルは正確のようにみえるものの、実際にはやや粗い推定モデルだ。
今まで、金利は株式市場のパフォーマンスにとってさほど重要な要因ではなかった。
最近、市場が値固めに入ったように見えるのは、利回り上昇の可能性が債券市場の株式に対する競争力を高めつつあるのを投資家が心配しているためかもしれない。」

ウィーン氏の姿勢は慎重だ。
リーマン危機後、FRBのバランスシート拡大と株式市場の上昇が連動していることは否定できないからだ。

S&P 500指数(青、左)とFRBバランスシート(赤、右)
S&P 500指数(青、左)とFRBバランスシート(赤、右)

「2017年初めからバランスシートはフラットのままでS&P 500がほぼ10%上昇した。
この乖離は心配だ。
・・・
さえない生産性の伸びと引き締め的な金融政策の組み合わせは、年後半の市場の障害となろう。
しかし、企業収益には目を見張るものがある。
私は依然クリスマスまでS&P 500が史上最高値を切り上げていくと信じている。」