ドラッケンミラー:金を買い戻し

かつてジョージ・ソロス氏のクォンタム・ファンドの運用に12年間携わり莫大な利益をもたらしたことで有名なStanley Druckenmiller氏が金を買った。
トランプ政権の不確実性を懸念し、通貨を持っておきたかったのだという。

ドラッケンミラー氏は1981年、自らのヘッジ・ファンドDuquesne Capital Managementを設立。
その後、Dreyfusの代表者を兼務した後、1988-2000年、クォンタム・ファンドの運用を任された。
ソロス氏とドラッケンミラー氏は1992年に英ポンドの売りを仕掛けて巨万の利益を上げ、「ポンド危機」を引き起こした。
2010年、Duquesneを解散し、投資家から資金を預かるファンド業からは引退した。

ドラッケンミラー氏は昨年11月の米大統領選まで金を保有していたが、選挙当日の夜、売却したとCNBCで話していた。

「とても楽観している。
・・・
保護主義の恐れはもっともだが、他の政策のメリットと比べて過大に懸念されている。」

ドラッケンミラー氏はこの時、トランプ政権の下で減税や規制緩和が実行されることに期待を寄せていた。
ところが、今月7日のインタビューで金買い戻しを明かしたとBloombergが伝えている。

「何か通貨を持っておきたかった。
自国通貨が強くなってほしいと望む国はない。」

投資家が通貨を好むのは、資産価格が下げると予想される時だ。
投資家が金を好むのは、通貨の価値に不安がある時だ。
ドラッケンミラー氏は、11月の選挙後に金は大きく下げており、買い時だったとも語っている。

金価格

さらに、より本質的なもう一つの理由として、「トランプが下院共和党の税制改革案を支持するか不確実なこと」を挙げている。
トランプ氏勝利の時点ではプラス(減税・規制緩和)がマイナス(保護主義)を上回ると読んでいた。
ここにきて、そのバランスの見通しに変化が訪れたということだろう。

米投資家が金を見る時の最重要の要因の一つは為替だ。
ドル建て金価格はドル・レートと逆の動きをすることが知られている。
仮にこの関係が今後も成り立つとすれば、金を買うことはドルを売れというシグナルと読み取れるかもしれない。

ドル建て金価格(青)と米ドル実効為替レート(赤)
ドル建て金価格(青)と米ドル実効為替レート(赤)