ドイツ連銀:量的緩和で物価は上がらない

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ドイツ連銀Jens Weidmann総裁が23日、新聞社のインタビューでECBの量的緩和の早期終了を求めた。
追って25日、量的緩和の効果を検証したディスカッション・ペーパーを公表している。

バイトマン総裁はECBが資産買入れプログラムを秩序立てて終了することを求めている。
量的緩和は危機対応のための政策であり、追加緩和を検討する理由はないという。
金融市場の混乱を避けるため、緩やかにテーパリングを行い、市場とのコミュニケーションを徹底するよう提言した。
バイトマン総裁は、ECBが買入れを停止しても、ECBのバランスシートが拡大したままであるかぎり、金融政策は大いに緩和的であり続けると指摘。
「さらにアクセルを踏み込む必要はない」と語った。

物価目標を2%から3、4%へ引き上げるべきとの一部議論について、バイトマン総裁はネットでメリットがないと切り捨てた。
仮に一時的に実質金利が押し下げられたとしても、インフレのコスト増大が長く続くデメリットをともなう。
また、目標未達だからといってそうした細工をすれば、市場は再び催促するようになるという。

「信認を保つためには、こうした議論はいったん(2%)目標を達成した後に行うべきで、その前に行うべきではない。」

25日ドイツ連銀が公表したディスカッション・ペーパーでは、バイトマン総裁の発言を裏付ける分析結果が示されている。
この研究では、欧州においても量的緩和の物価への効果が小さいことが示されている。

「ECBのバランスシート政策(直接の資産買入れ)は危機後の一定期間、金融ストレスを低下させた。
このプラス効果は、ストレスが危機前の水準に上昇するにしたがって反転した。
同時に、資産買入れによるショックは経済活動を拡大させる効果を有したが、物価への効果はわずかだった。
・・・
金融危機に対する固定金利・全額供給政策による流動性供給は、生産や物価への悪影響を封じ込めることに成功したことも明らかになった。」

ドイツへの影響については、金融緩和の本来の伝達経路が働かなかったと指摘されている。
結果、危機対応による経済下支えはできたものの、将来のリスクを高める結果となった。

「資産買入れは、ドイツにおける信用創造を回復させることができなかったことがわかった。
ポートフォリオ・リバランスの経路で示唆されるほどには銀行の貸出金利は下がらなかった。
貸出の消却は減ったが、潜在的な企業デフォルト率は大きく上昇し、銀行貸出がさらにリスキーになったことを示している。
分析をまとめれば、ユーロ圏とドイツでの産出量効果はプラスだったが、金融安定のリスクが増大したと示唆される。」