デニス・ガートマン:トランプ政権の経済刺激が株を押し下げる

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コモディティ王デニス・ガートマン氏がETF.comのインタビューで、広範な投資対象について語っている。
米国株へのエクスポージャーを減らすよう勧めているが、その根拠となるシナリオがとてもユニークだ。

「トランプ政権がアピールした恩恵のすべてが完全に実現すると心から信じているのか自問し、とんでもなく心配すべきだ。」

ガートマン氏は市場が期待を寄せるトランポノミクスに冷めた目を向けている。
トランプ大統領がふかす減税やインフレ支出は、市場が期待するほどの内容とはならないだろうという。
一方、ガートマン氏は、市場がすでに「鼻血を出すほどの高み」にあると考えている。

「新たに買うな。
持っている分はデリバティブやオプションでヘッジしろ。
ストップ注文で市場急変に備えろ。」

ガートマン氏の弱気の理由は期待のしすぎだけではない。
とてもユニークなシナリオを話している。
トランポノミクスは経済にはよいが、株式にはよくないというのだ。
他のエコノミスト・投資家とは異なる意見のように聞こえるが、どのような考えなのか。
そこには、景気サイクルにおける金融政策と資金移動についてのシナリオがあるようだ。

「経済が不況から脱出する前に、どうして株は上がるのか?
底では金融当局が拡張的な政策をとるためだ。
工場・設備・労働のために資金が必要でないため、マネーが資本市場に流入するのだ。」

景気はまだ底なのに、金融相場で株が上がり始める。
これを見ている人たちは心配になるはずとガートマン氏は解説する。

「逆に、景気拡大の頂点では、工場・設備・労働のための資金需要があるため、どこかからマネーを持ってこなければならない。
仮に金融当局がさじ加減を誤り、拡張的とすべきところを引き締めてしまうと(FRBの現在の状況だが)、その時点でマネーが資本市場から流出し、工場・設備・労働に向かうことになる。」

ガートマン氏は、金融政策のサイクルと景気サイクルにずれがあることに注目し、そのずれが金融市場と実体経済の間の資金移動を引き起こすと考えているのだ。
実体経済が強くなることで、金融市場からマネーが吸い上げられかねないのが現状であり、トランポノミクスが実体経済を刺激すれば、それが助長されると予想している。

こうした経済環境で、ガートマン氏はコモディティ全般と金への投資を勧めている。
金はドル建て、ユーロ建て、円建てでの購入を挙げ、強気相場が始まったと断言した。
従来は弱くなる通貨(ユーロや円)建てでの購入を勧めていただけだから、強気の度合いが強まったように見える。
また、最近4-5年で初めて原油に強気になったとも話している。