セス・クラーマン:尻尾は他にくれてやれ

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Baupost GroupのSeth Klarman氏が2009年3月に行った講義の様子をCNBCが伝えている。
ウォーレン・バフェット氏と比べられるほど高名なバリュー投資家でありながら世間との接触が極端に少ない同氏の考えが垣間見える数少ないチャンスだ。

「わが社は最後の5セントまで保有し続けることは絶対にない。
そうしてしまうのは大きな間違いだ。
わが社は、株価がフェア・バリューを超えるとは決して想定しない。」

セス氏は講義において売り時の重要性を語った。
セス氏は自身の投資術には3つの柱があるという:

  1. 利益より先にまず損する可能性を考えろ。
    これは投資について複数のシナリオを用意することを意味する。
    リスク・シナリオを用意し、どんな失敗がありえ、その場合いくら損するのかを知っておくべきだ。
  2. 相対リターンより絶対リターンが重要。
    株価指数より損失が少ないからといって喜ぶべきではない。
    「あなたのゴールはお金を失うことではない。
    あなたのゴールはいつもお金を儲け、ダウンサイドから資産を守ってもなお十分なアップサイドを得ることだ。」
  3. マクロ投資は忘れ、個別の投資アイデアに集中しろ。
    マクロ投資は極めて難しく、セス氏は長期にわたって成功した人を知らないという。

その上で、セス氏は株を長く持ちすぎないことが重要と指摘する。
バウポストでは、安く仕入れた株がフェア・バリューに達する少し前に売却するのだという。
例えば、フェア・バリューが20ドルの株を10ドルで買えたとしたら、20ドルまでは待たない。
18ドルか18ドル50セントのところで売ってしまうべきという。

「最後の1-2ドルは他の人にくれてやる。
わが社では常に早すぎるタイミングで売っている。」

バリュー投資とは、市場が見落としている銘柄の価値を見出す営みだ。
安すぎるものを買ってフェアに近い評価を受けたところで売却する。
そこでマーケット・タイミングを試みても持続的な成功は望めない。
それどころか、売り損ねれば、その株が再び市場から忘れられ、塩漬けになってしまうかもしれない。
《頭と尻尾はくれてやれ》と言った気持ちで、確実にExitを図るべきとの考えだろう。
いったん売却しておけば、その後下げた場合に再度投資する可能性も出てくる。

また、バウポストはレバレッジを用いないのだという。
借金もしなければ、信用取引もしないのだ。
レバレッジをかけなければ、マージン・コールを受けることもなく、純粋にあるべきポジションを維持できることになる。