スティグリッツ:米国のパリ協定離脱は北朝鮮の核と同じ

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ジョセフ・スティグリッツ教授が、パリ協定離脱を表明したトランプ大統領の判断を北朝鮮の核開発と同レベルと非難した。
自身にとっても母国であるトランプの米国を「ならず者」と呼び、大統領の誤りを論理的に否定している。

「世界はならず者国家から自らを守らなければいけない。
気候変動は地球にとって大きな脅威であり、それは北朝鮮の核開発にも匹敵する。
いずれの場合も、世界はある疑問を禁じ得ない:
地球の保全のための役割を拒む国に対して、何がなされるべきだろうか。」

スティグリッツ教授がProject Syndicateで、トランプ大統領の気候変動への姿勢を厳しく批判した。
教授はまず、大統領が2012年にツイートした「奇妙な陰謀論」を紹介する。

「気候変動という考えは、米製造業の競争力を削ぐために中国によって中国のために作られたものだ。」

5年前、大統領は気候変動を中国の陰謀と言っていた。
当時、中国はまだ地球を汚しまくっていたのに。
まさに支離滅裂な主張が米大統領の売りなのであろう。
皮肉なことに、中国は今(十分でないと批判を受けながらも)気候変動にストップをかけるべくパリ協定を支持している。
そこで、CO2で世界一地球を汚している米国の大統領は今「米国にとってフェアでないから」と言い出した。

うらはらに、多くの人がCO2削減は米国のためと主張している。
米国を代表するエネルギー企業、世界一の石油会社エクソンモービルは3月、ホワイト・ハウスにパリ協定から脱退しないよう求める書簡を送った。
同社は、低炭素資源や技術において米国が競争上有利であると理由を説明している。
スティグリッツ教授も同じ考えだ。

「トランプの理屈の大きな誤りは、気候変動と戦うことが米国を弱めるのではなく強めるという点だ。
トランプは、皮肉にもあまりグレートではなかった過去に向いている。
石炭産業の雇用(51千人と全国非農業部門労働者数の0.04%未満)を守るという公約は、同産業に特有の厳しい状況と健康リスクを看過している。
仮に石炭生産が回復したとしても同産業の雇用を減らし続けるであろう技術の進歩は言うまでもない。」

トランプ大統領が結果の決まった議論を繰り返すのはなぜなのか。
結果を決めてから理屈をこじつけるのはなぜなのか。
ジェフリー・サックス教授は先月、共和党に巨額の資金を献金する富豪兄弟を名指しで批判した。
この兄弟と大統領とは不仲とも伝えられているが、気候変動については共和党議員を介して奇妙な共同戦線がはられているようだ。

「いいことよりも悪いことに課税する方が常によいことだ。」

スティグリッツ教授は炭素税の本質をこう語る。
教授は、国家や世界をよくするためのルール・制度を熟知しているのだ。
以前の論文では米国からの輸入に対し炭素税調整税を課すべきと主張している。