スティグリッツ:減税は経済成長を促進しない

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依然としてトランポノミクスの法人減税・インフラ支出への期待は高い。
しかし、ジョゼフ・スティグリッツ教授は、法人減税が何もいい方向に進めないと否定的だ。

「経済学者のほとんどは、現在の米国の税制が非効率で不公平であると認めるだろう。
他の企業よりはるかに高率の税を払っている企業が存在する。
雇用を創出した企業に対してはおそらく一部税優遇のインセンティブを与えるべきだろう。
しかし、誰が税優遇を受けるかの唯一の根拠は、請願者が使うロビイストの優秀さで決まっているようだ。」

スティグリッツ教授はProject Syndicateで、税制改革の必要性を認めながらも、法人減税に否定的な意見を書いている。
とりわけ、共和党・米企業・市場関係者が繰り返す、減税が経済にプラスになるとの主張については誤りと指摘している。
そのため、教授は経験的な根拠、理論的な理由を説明している。

1980年代のレーガン政権

スティグリッツ教授は、減税が米国を偉大にすることはないし、過去もそうなった試しがないという。
上げ潮派、金持ち・企業寄りの政策が功を奏したことはないと言い切る。

「1980年代、ロナルド・レーガンが試みた時、彼は税収が増えると主張した。
代わりに成長は鈍化し、税収は落ち、労働者が苦しんだ。
相対的な意味で大きく得をしたのは、税率引き下げで劇的な恩恵を受けた企業と金持ちだった。」

レーガン政権の事例は、実際に減税が行われた事例だ。
トランプ政権の場合、それ以前の問題が大きい。
議会のコントロールに四苦八苦していることを考えれば、減税が新たな財源をともなって行われる可能性は小さいとスティグリッツ教授は読む。
どこかで減税をするために、どこかで増税をせざるをえない。
しかし、損をする人たちにもロビイストがついていて、納税者層ごとの権益争いになる。
果たして減税は前に進むのか。
たとえ進んだとしても、それは改善と言えるものになるのか。

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