ジャック・ボーグル

ジャック・ボーグル:複利リターンの奇跡、複利コストの暴君

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Vanguard Groupの創始者Jack Bogle氏が、ずばり「米国株はバブルなのか」と尋ねられた。
低コストのインデックス・ファンドで投資の世界に革命を引き起こしたボーグル氏がCNNで投資環境と戦略について語った。

「バブルとは思わない。
相当に高いバリュエーションだが、バブルではない。」

ボーグル氏からすれば、前回のバブルは2000年前後のITバブルだ。
サブプライム危機前程度ではバブルではないようだ。
その背景には、ボーグル氏の投資の知恵がある。

「一般論で言って、極端な状態にならない限り、それに基づいて行動するのは良策ではない。
市場から退出するのはいい考えかもしれないが、他の人が買っているのに、いつ売るべきか本当にわかる人はいない。
それが現実だ。
その後には、いつ買いに入るかを見定めなければいけない。
私にはできない。
それを出来る人を私は知らない。」

ボーグル氏は、理論どおりマーケット・タイミングが持続可能な投資戦略と考えていないのだ。
そこから、当然導かれる結論は、高コストのアクティブ運用ファンドより低コストのインデックス・ファンドが優位になるということ。

米国株が「相当に高いバリュエーション」である今、投資家はどうすればいいのか。

「市場の歴史を振り返れば、平均的な配当利回りは4.5%だ。
それが今は2%になっており、2.5%が将来リターンの死重的損失となっている。
企業収益(の成長)についてみれば、これまでの平均は5%だった。
今後も5%の水準を維持するとは考えにくい。
投資リターンはそこから得られるものだ。」

今後10年のリターンは過去10年よりかなり劣るだろうという。
確率の話としながらも、「オッズはとてつもなく悪い」という。

「PERが20倍を超えると、80%の確率でその10年は前の10年よりリターンが下がる。
100%のオッズではないが、常識的だと思う。」

こうした厳しい環境でも、ボーグル氏の推奨は変わらない。
息長く投資をし、複利の恩恵を享受しろという。

「(退職金の計算書を)覗くな。
引退するまでは開くな。
引退して開いた時、たくさんお金を持っていて、たぶん気絶するかもしれない。
複利リターンの奇跡が、特に複利のコストの暴君を取り除けば、すばらしい数字を与えてくれるだろう。」

ボーグル氏は、取引先の弁護士の話を紹介する。
40年前に15,000ドルをバンガードのファンドに投資した彼は、昨年10月に税引き後で963,000ドルを手にしたのだという。
株が基本的に右肩上がりを続ける米国らしい話だ。

ボーグル氏は、今後はここまでは望めないと認めている。
過去40年は年11%の利回りだったが、今後は4-5%になるだろうと予想する。
それでも、債券よりははるかにましと考えている。