ジャック・ボーグル

ジャック・ボーグル:低い市場リターンがアクティブ運用を苦しめる

Share

Vanguard Groupの創始者Jack Bogle氏が、米株式市場の名目リターンを分析している。
同氏の見通しが示すのは、アクティブ運用業界全体で見た場合の暗い未来だ。

「このトレンドは加速しているようだ。
伝統的なインデックス・ファンド(TIF)は今年流入が最大となるペースである一方、アクティブ運用ファンドは2番目に悪い年になりそうだ。
インデックス運用は単なる流行ではなく、紛れもない現実なのだ。」

インデックス・ファンドの生みの親ボーグル氏がコンファレンスで、インデックス運用の意義と勝利を語ったとValueWalkが伝えている。
講演の中で、ボーグル氏は興味深い数字を並べている。

米国株投資の名目リターンの内訳

期間 配当 利益成長 PER拡大
1900年以降 9.5% 4.4% 4.6% 0.5%
1982年以降 12.1% 3.3% 5.4% 3.4%
今後10年予想 4.0% 2.0% 4.0% -2.0%
ボーグル氏は配当・利益成長の寄与分を「投資リターン」と呼び、PER拡大の寄与分を「投機リターン」と呼んだ。
同氏によれば、アクティブ運用の過去の成功の歴史はこうなる。
1982年から今で見れば、株式市場のリターンは12.1%と高く、特に(PER拡大による)投機リターンというおまけが3.4%もついていた。
こうした高リターンの中では、投資家は高いファンド手数料を見逃してしまう。
ところが、1900年以降の超長期で見ると(PERは中央回帰しており)投機リターンはゼロに近い。

すでにPERは過去の平均より高い領域に踏み込んでいる。
これが過去と同じように平均回帰するならば、PERは縮小に転じ、投機リターンはマイナスに振れる。
絶対リターンがボーグル氏の予想どおり4%程度となるなら、そこからアクティブ運用ファンドの2-3%の手数料を支払うのは難しかろうというわけだ。