ジム・ロジャーズ:進む脱米ドル

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冒険投資家ジム・ロジャーズ氏が、中国の人民元建て原油先物取引についてコメントした。
有力な新興国が脱米ドルを進める理由を解説している。

これは(脱米ドルの)一つのステップにすぎない。
米ドルを使いたくないという人がたくさんいる。
米国との関係が悪化した時に(ドル相場を使って)大きなプレッシャーをかけられ、事業から追いやられるのがいやだからだ。

ロジャーズ氏はロシアRTのインタビューで、中国が近々開始する人民元建て原油先物取引(金への転換が可能とされている)について世界でじわじわと進む米ドル離れの一例と解説した。
同取引では対価の受け払いを金で行うことができるため、米ドルだけでなく人民元さえ扱う必要がない。
ちなみに人民元建て金先物は上海で昨年4月に、香港で今年7月に始まっている。

原油相場の世界的なベンチマークWTIとBrentはいずれもドル建てだ。
中国が新たに始める先物市場は人民元建て。
中国が世界一の原油輸入国であることを考えれば、新市場の人民元建て原油価格が新たな有力なベンチマークとなる可能性は高い。

米国との関係が悪かったり経済制裁を受けていたりする国からすれば、米ドル相場によって自国経済が大きな影響を受けることに危機感がある。
ロシアや中東の産油国となればなおさらだ。
米国との対立が解けない中国とロシアがルーブルと人民元のスワップ契約を結んでいる点などをロジャーズ氏は指摘している。
変化は確実に進んでいるとする一方、変化には時間がかかるものとの考えも示した。
しかし、世界最大の輸入国の今回の動きは例外かもしれない。

「今回の場合、たくさんの人が積極的に望んでいた。
アジアでの原油取引で大きな変化が起こるまで10年かからないのではないか。」

ロジャーズ国際商品指数の開発者としても知られるロジャーズ氏はコモディティ分野の第一人者でもある。
そのロジャーズ氏が、人民元建て先物市場の可能性を高く買っている。
しかし、やはり多くの人の関心事はコモディティ分野に向かっているのではなく、基軸通貨としての米ドルの先行きであろう。

米ドルが英ポンドの地位にとって代わった時、誰もそれを急いではいなかった。
今は大きな経済(ロシア、中国、イランほか)が強く望んでいるから、早く実現するだろう。