ジム・ロジャーズ:自分自身で調べて考えろ

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日経電子版がジム・ロジャーズ氏について「投資家の金言『自分だけを信じよ』」と題する記事を載せていた。
手短かにロジャーズを知るのにとてもよい記事と思ったが、あえて補足させていただこう。(浜町SCI)

ロジャーズ氏は優しさに満ちたたいへんなエンターテイナーだ。
常に聴衆の視点を意識している。
当サイトは多くの著名投資家を定点観測しているため、ロジャーズ氏が信念の人であることがよくわかる。
信念の人だから、日々のノイズで投資スタンスを変えることもない。
それでいて、毎日のように講演やインタビューをこなしているのに、聴衆・読者を飽きさせない。
優しきエンターテイナーだ。

投資のスタイルも人柄も往年の相棒ジョージ・ソロス氏とは好対照だ。
ソロス氏が冷徹なトレーダーなら、ロジャーズ氏は愚直なエコノミスト/アナリスト。
ソロス氏は権力を欲し、ロジャーズ氏は在野を好む。
自ら、マーケット・タイミングは下手というように、データと分析に基づいた投資を旨としている。
アラバマの決して裕福ではない家庭に生まれ、優秀な成績で奨学金を獲得しイェール大学を卒業、英オックスフォード大学にも留学している。
研究と実務の二足の草鞋を履いていた時期があるなど、にこやかな風貌、冒険者としての活動とは裏腹にたいへんな知性派だ。
アメリカ中心でしかものを見られない偏狭なエスタブリッシュメントでも南部の田舎者でもない。

そのロジャーズ氏が会話の中で発した金言を、日経がいくつか紹介している。

「自分自身で調べて考え、確信できる答えをみつけることが必要だ」
「私の言うことを信じるな、新聞も信じるな、自分が調べたことだけを信じろ」

いずれも単純だが、実践するとなると難しいテーマだ。
日経は、こうしたメッセージの中からタイトルに「自分だけを信じよ」の部分を抜き書きした。
私は、そこだとは思わない。
私が一番重要と思うのは「自分自身で調べ」ろというところだ。
ロジャーズ氏が言うように「確信できる答えをみつける」ためには《自分自身で調べる》ことが前提となるのだ。
だから、「私の言うことを信じるな、新聞も信じるな」となる。

(次ページ: 自分で調べられないなら)