ジム・ロジャーズ:米TPP離脱で中露が漁夫の利

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冒険投資家ジム・ロジャーズ氏が訪露中、ロシア政府系Sputnikのインタビューに応えた。
ロシアびいきでロシア投資を推奨しているロジャーズ氏の言葉は都合よく切り取られているように思われるが、一面の真実とも感じられるので紹介しておこう。

「米国は自分の足を撃って、ロシア内での農業ブームを生み出した。
さらに、中露を結束させた。
ロシアに有利で米国に不利な多くの意図せざる帰結が生じた。」

ロジャーズ氏はインタビューで、西側のロシア非難・ロシア制裁が「愚かな官僚主義の過ち」によるものと批判している。
シンガポールを本拠とするロジャーズ氏は、アジアの発展を確信している。
一方、母国米国は、屁理屈にもならない理由を挙げてTPPから離脱した。
気に食わない条約は、自国に不利な内容だからという理由だけで平然と破棄する米国。
条約が破棄されるごとに、国際社会からの信頼も失われていく。
ロジャーズ氏は、米国のアジア戦略が大きく後退したと考えている。

「これは中国にすばらしいチャンスを与え、中国はロシアと同様アメリカの抜けた穴に飛び込み、埋めようとしている。
米国は制裁を課している。
これが中露を結束させた。
これはどんな意味でも米国を害するだけで助けにはならない。」

コンファレンス出席のために訪露したロジャーズ氏だが、コンファレンスの雰囲気が変化していると感じている。
トランプ政権発足により米国への関心は高まっているのに、アメリカ人の参加者は減っている。
米露関係を改善すると言っていたトランプ大統領はロシア・ゲート疑惑で批判されている。
ロジャーズ氏は、米社会のロシアに対する憎悪が行き過ぎていると心配する。

「ロシアに対する大いなる狂気が米国を覆っている。
ロシアは選挙を操作していないし、トランプ氏を操ってもいない。」

ロシアがトランプ大統領を操っていないのは事実だろうし、(悪質なハッキングがあったとしても)選挙を操作したと言えるほどのこともしていないかもしれない。
ただ、米社会がトランプ大統領を批判しているのは、ロシアを批判しているというよりも、米大統領が「自国第一」を貫徹するためのルールをないがしろにしている点であろう。
ロジャーズ氏のサービス・トークは、露メディアにとって使えるところの多い素材となってしまったきらいがある。

「ウクライナをめぐるすべてのことは、実際は米国の官僚が始めたことだ。
すべては米国のせいで、今やっていることはバカげた魔女狩りだ。」

これではさすがに米国がかわいそうだ。